宮越孝治が準決10Rで藤井侑吾の先行に乗って、地元で初めてG3の決勝に進出した。ゴール後すぐにガッツポーズ。バックでガッツポーズ、回ってホームでピースサインで喜びを爆発させた。「宮越劇場」は敢闘門に引き揚げるまで、たっぷり続いた。気の毒に思えたのは、それにつき合わされた準決11Rの選手紹介を控える9人だった(笑)。

藤井侑吾を目標に優勝を狙う竹内雄作
藤井侑吾を目標に優勝を狙う竹内雄作

浅井康太が失格して脱落したため決勝は、中部の核となる選手がいない。しかし、新鋭藤井がいることで面白くなった。藤井の強さはどこにあるのか? それは先行態勢に入るまで、無駄に脚力を消耗していないからだ。自分がゴール勝負できる距離を把握して、最後に仕掛ける。藤井はS級に上がりたてなので、対戦相手も先行意欲が高いと見て作戦を立てる。レーススタイルが分かると相手も作戦を変える。今度は藤井がどう組み立てるかが次のステージだ。そこを見誤ると成長を妨げる。

藤井は初めての決勝なので先行主体に組み立てるだろう。番手の竹内雄作は無風で回れるのかが鍵だ。単騎の阿部力也や柿沢大貴次第になるが、竹内が有利なことは間違いない。(日刊スポーツ評論家)