今年でヤマコウカップも11回目となった。初日は予選でも11Rの(山口)富生を取り上げる。

決勝2着に終わった前回の高松F1を優勝したら、S級最年長優勝(記録は内藤宣彦の52歳5カ月)の更新だった。レースは川口聖二の先行なのに、富生の後ろが奇跡的にもつれた。人気の才迫開-隅田洋介が外に浮き、4角を回り富生の優勝かと思ったが、隅田がとらえた。私は昔、大垣記念で富生の後ろから村上博幸が優勝した時、自転車を降りるやいなや「博幸おめでとう!」と語気荒く、お尻に蹴りを入れた時のように、隅田に祝福の蹴りを入れたと思っていたら、「あれは隅田が強かった」とサバサバしていたのは意外だった。

ヤマコウは実弟、山口富生にエールを送った
ヤマコウは実弟、山口富生にエールを送った

富生はフレームなど非常に研究熱心だ。小さい時から何でもそうだった。すぐ器用にこなすのは私で、富生は不器用だった。小学生のころ、毎日早朝から父と3人でマラソンをしていた。低学年の頃は私の相手にならなかったが、高学年になるころにはかなわなくなった。そして、そのまま中学で陸上部に入り、中距離選手として活躍した。

天性の資質に加え、努力研究はとても大切だ。それが今にもつながっていると思う。富生が優勝を逃した夜、意外な2人からメールがあったらしい。1人は、かつて最年長優勝記録を持っていた西川親幸さん(引退)。そして、もう1人は「俺も頑張ります」とつづった神山雄一郎だった。「年を取ったら頑張るだけで声援もらえるんだわ」と言う富生にエールを送る。(日刊スポーツ評論家)

※弟の山口富生が出走しているため、予選11Rのヤマコウ印はありません。