【天野保彦・オレに任せろ】

 絶対王者が地元で躍動する。「オレに任せろ」の天野保彦は、3日目の注目選手に12Rの高橋貢(46=伊勢崎)をピックアップする。2日目10Rを快勝し、マシンの状態は良好。台頭する鈴木圭一郎ら若手、中堅に対し、グレード戦70回優勝の底力を発揮する。

 10Rの5周1角、高橋貢が金子大輔の内に切り込み先頭を奪う。8枠から好スタートを決めて徐々に順位を上げ、しっかりと1着をもぎ取った。「スタートが良かったのが何より。遅いと展開が作れない」。思い描いたレースができた。

 この日の力強い動きを見ると、エンジンは十分に合格点のレベルにある。「悪くはないが、もう少し直線の力強さが欲しい。試走29だが特別いい感じはしない。金子が滑っていたので抜けた」。評価が厳しいのは、もちろん先を見据えてのことだ。SG優勝のためには、あと1歩の前進が欲しい。

 地元伊勢崎の実績は抜群だ。グレード戦優勝70回のうち、ほぼ半数の34回を当地で挙げている。風、気圧などの気候条件に合わせた調整は分かっているし、湿走路の有利なコース取りなどもは、すべてインプットされている。

 46歳を迎えても50キロ台前半の筋肉質の体をキープし、体力的な衰えとは無縁だ。「カロリー計算とかはしない。意識せず自然に食べている。長年やっているから、そういうことはしなくても大丈夫」とさらりと言う。91年デビューの選手27年目は、自然に体がつくれる。ジムでトレーニングするなど、常に体を動かす。これもルーティンだ。

 夏でも体調は万全。エンジンを絶好調にするため、「セットをやる。もうひと回転上げたい」と渾身(こんしん)の調整を敢行する。強敵は今節好気配の永井大介で、一騎打ちが濃厚だ。(7)-(8)-(5)(1)(2)(6)を厚めに(8)-(7)-(5)(1)(2)(6)が元返し。