前本泰和(45=広島)がイン完勝、1月のからつ周年に続くG1連続Vを達成した。中国地区選は8年ぶり2度目の優勝。2着は茅原悠紀、3着は白井英治だった。

 ゴールの瞬間、いつも控えめな前本が右手を上げてガッツポーズをした。大勢の観客が声援を送る。表彰式に向かう際には、ファンが後ろを追いかける。1番人気に応える圧倒的な逃げは、人々を魅了した。2コース川崎智幸がツケマイを敢行しても、全く慌てずに先マイ。差し込んだ茅原悠紀も寄せ付けなかった。

 昨年はグランプリに初出場。トライアル1stで敗退、シリーズ戦回りとなった。「今年もグランプリに出たい」。雪辱への思いが快走につながっている。通算5度目のG1制覇だが、うち2回が今年。45歳を迎え円熟期に入った。「今までやってきたことが報われているのかな。年齢は関係ない。これからも少しでも成長したい」。視線の先は2年連続の年末。このまま走り続ける。【網孝広】