1走入魂で3年連続の日刊MVPを目指す。日刊スポーツ新聞社制定「第30回オートレース年間三賞」の表彰式が27日、東京都内のホテルで行われ、殊勲賞の鈴木圭一郎(23=浜松)は「全てのレースで勝てるよう全力を尽くしたい」と誓った。

 2年連続殊勲賞受賞の鈴木圭一郎は、表彰式の壇上で、心境をシンプルなフレーズで表した。「2年連続はなかなかできないし、本当にうれしい。意識して取れる賞ではないし、今後も目の前のレースに1走1走、全力で取り組むだけです」。結果よりも、その前に何をしたかに重きを置く。17年に達成したSG4大会連続優勝も、その延長線上にあった。

 表彰式前の成績には納得していない。優勝戦は20日の飯塚一般が4着、12日の浜松G1が6着。「エンジンは予選からずっと良くない。何が悪いのか、しっかり考えて対応したい」。整備に正解がないことは、分かっている。「負けがあるから成長できるし、壁があるから面白い」と実感を込める。そんな状況を乗り越えての優勝は、また格別だ。

 現状を打破するために、パーツ交換に着手する。「クランクはいいのが見つかるまで、3、4個は換えるつもり」。予備車も取り出し、「エンジンを乗せて状態を確かめたい」と上昇への青写真を描く。

 部品への投資は惜しまない。クランクは15万円、ケースは30万円、ヘッドはカムなどを含むと30万円。トータルで年間の出費が1000万円を超える年もあるはず。「エンジンと部品の相性もあるので、仕方がない面もある」。26日のJKA表彰式でも、賞金の使い道について「ほとんどを車に使いたくなる」と語っていた。

 ランク1位の生き様は、仕事オートレース、趣味オートレース、道楽オートレース。「毎年、毎年、オートレースが好きになっている」というセリフは、何度も口を突いて出てくる。18年はすでにSG全日本選抜を優勝した。日刊MVPの連続受賞は、島田信広元選手の5回が最多。18年の3年連続はもちろん、記録更新の予感が早くも漂っている。【天野保彦】