115期ルーキーでデビュー4場所目の外田心斗(21=愛媛)が決勝7Rを制し、同期で坂井洋に次いで2人目のA級2班特昇を決めた。レースは打鐘過ぎに4番手からカマして、2着以下を10車身以上も引き離す圧勝劇。準決後に「特昇は意識しない」と話しながらも、Vゴールすると喜びがこみ上げた。右の拳で軽くハンドルをたたき、ファンの声援にうなずいて応じた。

デビュー戦の7月高松決勝はまくり届かずの2着に、「力を出し切るのが大事。結果はそれから」と意識を変えた。その後に7月高知、8月名古屋と完全Vを決めて迎えた今節。三たび逃げ切った。決勝で注目したい点は上がりタイム。最終回の前半が10秒9で、後半の11秒6を上回った。前団をたたくダッシュとスピードは非凡。予選、準決はライン決着へ踏み込みを加減したようだが、決勝は前期2班の機動型を全力でのみ込んだ。

小3で当時現役の競輪選手と家族ぐるみで付き合った縁で選手を志し、中学と高校は陸上の主に3段跳びで全身のばねを鍛え上げた。今はS級経験がある日野博幸に師事し、浜田浩司や松本浩貴らと乗り込んでいる。もちろん、今日の勝ちでは満足しない。「一緒に練習する先輩の前を走りたい」。祖父や両親から「志を高くし、まっすぐ進む」と思いを込められ、心斗(しんと)と名付けられた。さらなるスピード出世へギアを上げていく。