日刊スポーツ新聞社制定「第35回ボートレース年間三賞」の各賞受賞者が決まった。MVP殊勲賞は、SGグランプリ2度目Vの峰竜太(35=佐賀)が3年ぶりの奪還を果たした。2連対最多の敢闘賞は松田大志郎(33=福岡)が初受賞、技能賞は毒島誠(37=群馬)が2年連続の受賞、女子の特別賞は昨年末にクイーンズクライマックスでGI初制覇を飾った平高奈菜(33=香川)が初受賞となった。また、昨年10月に惜しまれつつ引退したレジェンド、今村豊氏(59)に、ボート界への多大なる功績をたたえ特別賞が贈られる。

峰竜太が17年以来、2度目の殊勲賞に輝いた。敢闘賞は1ポイント差で2位。ダブル受賞はならず、「僕ばっかりじゃ悪いですからね」といたずらに笑った。

20年は歴史に残る活躍だった。SGは鳴門オーシャンC、平和島グランプリを制覇。業界表彰では、最優秀選手(MVP)、最多賞金獲得選手、最高勝率選手、最多勝利選手、記者大賞を受賞と、現行制度では史上初の5冠を達成した。「ファンの人の期待に応える責任があると思って走っていた。自分の1年だったと思う」とレースで魅了し、最高の結果も残した。

無観客開催や入場制限、昨年はボートレースも新型コロナウイルスの影響を受けた。「テレビ越しでも感動を伝えたい」。その思いで走り、ファンと接する機会も減ったが、情報発信ツールとしてYouTubeやSNSなどを活用した。「いろんな自分を知ってもらえたし、今までよりも深まってると思う」。逆に交流の幅は広がった。

今年の活躍にも期待がかかる。目指すはSG制覇やタイトル獲得だけにとどまらない。「もっとボートレースを広めていきたい。SGも勝ちたいけど、まずはそれ。自分にしかできないことがあると思う」。ボートレース発展のため、最強レーサーは全力を尽くす。【栗原竑人】

◆殊勲賞 トップ快走の峰に、毒島が蒲郡チャレンジカップVで詰め寄って、大一番の平和島グランプリを迎えた。峰はトライアル2勝でファイナル1枠をゲット。寺田祥、平本真之、新田雄史もファイナルに進出し逆転の可能性が残ったが、峰は堂々と逃げ切り、ポイントトップと賞金王を確定させた。終わってみれば、2位毒島に115ポイントの大差をつけ、まさに「最強」を印象づけた。

◆峰竜太(みね・りゅうた)1985年(昭60)3月30日、佐賀県唐津市生まれ。95期生として04年11月からつでデビュー。04年12月福岡で初勝利を挙げ、05年11月のからつタイトル戦で初優勝。13度のGI優勝、4度のSG優勝。173センチ、51キロ、血液型B。