【松井律・競輪黙示録 スペシャル】

脇本雄太が完全勝利を決めた初日ドリームレース(DR)は、ほとんどの選手が完敗を認める中、松浦悠士だけは勝算を見いだしていた。「僕が前で戦うなら番手を取るか、すんなり3番手ならチャンスはある。あとは脇本さんが誰かと足を削り合う展開なら、よりパーセンテージは上がってきますね」。決してブラフなんかじゃない。

自分との闘いに集中する脇本に対して、松浦には気の置けない仲間がいる。「玉野(G2)で(清水)裕友が前を回りたいと言ったので、それならオールスターは俺が前な、と話していた」。清水との関係は、いつだって対等だ。さらに太田竜馬というピースが、シャイニングスター賞(SS賞)の攻撃バリエーションをより多彩にしてくれる。

新田祐大、深谷知広と、別線にも脇本の足を削れるメンバーがそろった。「G1を勝つ時は、たいていシリーズを通して3着までに入っている。そのルーティンを崩さないようにしたい。そうすれば、自然とお客さんの車券に貢献することにもなりますから」。松浦が勝つ確率は、DRよりも跳ね上がった。太田はこのメンバーなら後方にはならない。太田のスピードをもらって松浦が強襲する。(5)=(3)-全と、(5)=(7)-全の28点。