第12Rの優勝戦が湿走路で行われ、加賀谷建明(44=川口)が涙のG1初優勝を飾った。通算では21度目の制覇。2着に中村杏亮、3着に浦田信輔の地元勢が続いた。

10メートルオープンの優勝戦は、4枠から4番手スタート。2周ホームで外をまくって前団に追いつくと、2周2角で2番手の浦田信輔の内へ切り込み、同3角で中村杏亮をかわして先頭に立った。

加賀谷は、8月伊勢崎SGグランプリの後、脊髄と脳にできた腫瘍が悪化し、手術入院のため休んでいた。リハビリを経て、今節が復帰戦だった。いきなりのシリーズで4戦3勝にまとめ、ファイナルは得意の湿走路で制した。

加賀谷は表彰式で涙を流し、「もしかしたら走れないかもと言われていたので…先輩、後輩や、同期のみんな、そしてファンの皆さんが待っていてくれたので…本当に幸せです」と涙が止まらなかった。

 

払戻金は2連単(4)-(2)1770円、3連単は(4)(2)(3)2万3740円。

(注=成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください)

◆オートレースとは 8車立てで、1周500メートルを6周(ビッグレースでは8、10周の時も)行う。全国5カ所にレース場がある。群馬・伊勢崎、埼玉・川口、静岡・浜松、山口・山陽、福岡・飯塚で開催される。選手の技量の差によってハンデ(10メートル単位で最大110メートルまで)が定められている。競走車は左回りコースに合わせて車を倒した時にハンドルが平行になるように取り付けられている。エンジンはオートレース専用に開発されたスズキ製の排気量600CC2気筒。ブレーキは追突事故防止のため付いていない。選手は元アイドルの森且行や元ロードレース世界チャンピオンの青木治親、ロードレース出身の青山周平らがいる。21年の獲得賞金NO・1は青山で1億911万6305円。過去の最高額は04年に高橋貢が記録した1億4812万4255円。