ボート界22年のNO・1を決めるSG第37回グランプリが、いよいよ13日から長崎・大村ボートで開催される。開幕直前コラム第1回は、女子で初めて頂上決戦に出場する遠藤エミ(34=滋賀)に注目する。3月にここ大村のクラシックで史上初の女子SG制覇を成し遂げた。思い出の水面で、その走りに大きな期待がかかる。

11月の鳴門SGチャレンジカップ。遠藤は惜しくも次点で予選突破を逃した。だが、「(予選の)後半で機力を引き出せたことは収穫でした。SGを勝ったことが、ここに来てやっと実になってきたと思う」と、晴れやかな表情で話した。

SGはいいエンジンを引いて序盤はアドバンテージがあっても、男子選手がエンジンを出してきて、機力で追いつかれる。そこで苦労してきた。女子史上初のSG制覇となった3月のクラシックでは、予選トップ通過。準優も優勝戦も逃げ切り勝ちと、はた目には完璧なように見えたが、その後に出場したSGは、男子選手とのエンジン出し、調整力の差を感じていた。その溝が埋まってきたのだ。賞金13位での出場、トライアル1st初戦は4枠から出陣する。女子初で注目を集めるのは間違いない。しかし、遠藤にとって騒々しい周囲は関係ない。今の持てる力を全力で出すだけ。そこに結果が付いてくる。【中川純】

◆遠藤エミ(えんどう・えみ) 1988年(昭63)2月19日、滋賀生まれ。ボート102期生として08年5月、びわこでデビュー。12年11月に鳴門で初優勝。17年大村クイーンズクライマックス、21年浜名湖レディースチャンピオンの両プレミアムG1を優勝。今年3月、大村クラシックで女子選手史上初のSG制覇を果たした。155センチ、46キロ。血液型A。