94年のG1オールスター(いわき平)を制した出口真浩氏(54=神奈川、63期)が4日、川崎競輪場で引退セレモニーを行った。

昨年に2度、大きな落車をし、それが引退のきっかけとなった。復帰直後の8月静岡で2度目の落車。左肩の腱板(けんばん)断裂と右の首頸髄(けいずい)を損傷した。その影響で字を書くこと、箸でつかむことも不自由に。レースを走れる状態ではなく、一線を退くことを決意した。今年は1走もしておらず、4月11日付で引退していた。通算2536戦306勝。

セレモニーに同期同県の藤田和彦(54)が姿を見せると、自然に涙があふれた。92年の前橋日本選手権で藤田和彦が決勝2着に入ったことが刺激となり、頑張れたという。

もう1人、法政二高自転車部の同学年で64期の高木隆弘(54)の存在も大きく「高木を目標に頑張った。追いつけなかったけど」と感慨に浸った。

引退後は指導者としての道を歩む予定。高木が北井佑季を育てたように、神奈川の大砲育成を目指す。