今回は賞金ランク6位でトラアル2ndから出場する菊地孝平(44=静岡)を取り上げる。8月浜名湖メモリアル、10月常滑ダービーとSG・2大会連続で優勝戦1枠を手中にしながら、いずれも3着。そのリベンジはNO・1決定戦で勝つことのみだ。

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菊地のSG優勝戦1枠での連敗は衝撃だった。ボート界きってのスタート男が、地元浜名湖SG優勝戦のインでスタートを遅れた。強い地元愛を言葉でも態度でもにじませていた菊地。リベンジの場は、すぐ常滑ダービーで訪れた。しかし、今度は馬場貴也に差されてしまう。うつむきながら引き揚げてくる菊地は、本当に痛々しかった。

そして頂上決戦、グランプリを迎える。鳴門チャレンジカップはF休みだったが、それまでの獲得賞金が物をいい、ランク6位に残った。トライアル2ndからの出場をぎりぎりで守れたことは、実績上位6基から抽選できるエンジンでも大きなアドバンテージとなる。

グランプリは過去4度ファイナルに進み、14年平和島の準Vが最高成績。「勝ちたいですよ!」。菊地が初の頂点に立った時、どんな景色が見えるだろう。それを語ってくれる菊地をファンも心待ちにしている。【中川純】

◆菊地孝平(きくち・こうへい)1978年(昭53)8月16日、岩手県生まれ。82期生として98年5月、浜名湖でデビューし3戦目で初勝利。初優勝は01年5月のびわこ。SGは05年若松メモリアルで初制覇など5冠。同期に赤岩善生、中沢和志、横沢剛治、坪井康晴、作間章ら。165センチ、55キロ。血液型AB。