日刊スポーツ新聞社制定「第35回オートレース年間三賞」が、選考委員会により選定された。敢闘賞は新井日和(19=伊勢崎)が受賞した。なお、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。

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デビュー2年目の女子レーサー新井日和が、敢闘賞に選ばれた。女子選手の受賞は、15年の益春菜元選手以来、2人目となる快挙。「歴史に名前を残せることを、うれしく思います。このような賞をいただいたので、恥のないような走りをしていきたいです」と感想を述べた。

新井は21年5月に選手登録。昨年11月の伊勢崎普通開催で初優勝を達成した。この勝利で佐藤摩弥の持つ、女子最年少優勝記録を大幅に更新。22年は35期新人の中でトップの37勝を挙げた。それでも「2級車では勝てたレースもあったけど、もっとタイムを出したかったです」と振り返る。

今年1月のG1シルクカップから、待望の1級車に乗り替わった。3日目に快勝して、上がり3秒384の好タイムをマーク。シリーズ2勝を挙げた。次世代を担う19歳のニューヒロインに周囲の期待は高まる。今後もトップレーサー青山周平にアドバイスをもらえる環境の中で、さらなるレベルアップを図る。

また、開催告知CMに起用されるなど、広告塔としても業界に大きく貢献している。「もっと技術を身に付けて、お客さんを楽しませるレースをしたいです」。ポスト・サトマヤ候補は、新たな目標に向かってチャレンジする。

◆新井日和(あらい・ひより)2003年(平15)2月16日、群馬県生まれ。伊勢崎所属35期生。全国ランクA級145位。デビュー前からメディアに出演するなど注目度は高い。昨年11月の伊勢崎普通開催で初優勝を飾った。将来を担う新人女子レーサーとして期待される逸材。通算優勝1度。趣味は公営競技観戦。158センチ、43キロ。血液型B。

◆敢闘賞・選考 選手登録5年未満の34期と35期が選考対象。35期の新人女子レーサー新井日和が初受賞。女子では2人目となる快挙。新井は将来性あるスター候補。選考会ではポスト佐藤摩弥として、今後の活躍に期待する声が多かった。G2若獅子杯争奪戦で、デビュー最短グレードレース優勝記録を樹立した佐藤励も候補に挙がったが、1着回数と年間を通じて35期を引っ張った新井が評価された。

◆選考委員会 JKA事務所(東京都港区)で行われ、選考委員は東京レース部長沢畠功二、西日本レース部長町田達彦ら14人で構成。協賛のJKAもオブザーバーとして出席。

◆オートレース年間三賞 1988年(昭63)に創設された。1年間(1~12月)に活躍した選手を表彰する。表彰対象は原則としてSGの優勝者で、他にさまざまな記録が考慮される。JKAが協賛。受賞者には賞金と表彰状が贈られる。年間三賞はボートレース、競輪も制定されている。

・殊勲賞 SGの優勝者が対象。SGを複数回優勝するなど、最も顕著な活躍を見せた選手。その年のMVP。

・敢闘賞 原則としてデビュー5年未満の選手。優勝回数などを総合的に勘案して選出。

・技能賞 優勝レース、優勝回数、優出回数など、その年の成績を総合的に勘案して選出。

・女子特別賞 優勝回数、優出回数をはじめ、混合戦で活躍した選手を選出。