【藤代信也・オールガールズこう買う】

松戸バンクには、ガールズケイリンの節目が数多く刻まれている。


2012年の1期生・卒業記念レース、14年の第1回ガールズケイリンフェスティバル、同年に初めて行われたオールガールズシリーズ。15、16、19年にはガールズケイリンコレクションの舞台となった。


ガールズケイリン発足から11年、オールガールズ初開催から9年。ここに再び、新たな1歩が記される。


オールガールズクラシックを開催する松戸競輪場
オールガールズクラシックを開催する松戸競輪場

児玉碧衣をはじめとするトップレーサーが名を連ねる中、当地の卒記女王・加瀬加奈子ら1期生も4選手が出場するとは感慨深い。


加瀬は43歳にして、なお徹底先行。初代ガールズGP覇者の小林莉子と荒牧聖未はタイトル戦でも安定した力を発揮し、野口諭実可は遅咲きの花として後進に希望を与えている。


1期生なくしては実現できなかった今シリーズ。4選手とも誇りを持って最終日まで走り抜いてほしい。


卒業記念レース決勝の表彰台に立つ、優勝・加瀬加奈子(中央)、2着・中村由香里(左)、3着・小林莉子
卒業記念レース決勝の表彰台に立つ、優勝・加瀬加奈子(中央)、2着・中村由香里(左)、3着・小林莉子

ガールズ卒業記念レースの初代女王に輝き、胴上げされる加瀬加奈子
ガールズ卒業記念レースの初代女王に輝き、胴上げされる加瀬加奈子

松戸の33バンクはクセが強い。直線の短さ、カントの緩さは全国屈指。先行有利で、まくりは利きづらいとされる。ただ、それを意識する余りに早めから主導権争いとなり、まくりがあっさり決まるケースも少なくない。展開や仕掛けどころの見極めには、豊富な経験と実績が要求される。


例えば、松戸ガルコレを制した3人。当該レースまでの戦歴を振り返る。19年・児玉碧衣は、3日制の全4場所で決勝に乗り完全優勝1回、準優勝2回。後者のうち1回は、デビュー場所(予選2連勝)だった。3日制以外では16年ガルコレ準優勝で、通算は5着以下なしの【8 3 0 2】。


そのガルコレを制した高木真備もデビュー場所は松戸で、初陣で白星を挙げている。3日制の全3場所で決勝進出し、3日制以外では15年ガルコレ準優勝。同レースで地元Vを飾った石井貴子は当地がホームバンクで、過去の全3場所で決勝へ進み優勝が1回あった。


15年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した石井貴子
15年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した石井貴子

16年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した高木真備(左)
16年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した高木真備(左)

19年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した児玉碧衣
19年・松戸ガールズケイリンコレクションを制した児玉碧衣

高木真備に、優勝したガルコレの開催前に単独インタビューしたことがある。高木は「松戸では1開催に1度は必ず車券に絡めるし、自信を持って走れる好きなバンクです」と目を輝かせていた。その言葉通りの走りで、見事にタイトルを獲得。


選択に迷った時は、ぜひともバンクの巧拙を参考にしたい。これを踏まえて予想に入る。


◆7R:予選 記念すべきG1オープニングレース。先行型が不在の混戦だが、山口伊吹を狙う。近況における積極性は断然だし、3走前の平塚で予選連勝、2走前の久留米・初日に児玉碧衣から金星を挙げるなど、充実ぶりが光る。マイペースに持ち込み勝機十分だ。

3連単(6)-(1)(2)-全と、(2)-(6)-全。


◆8R:予選 1番車を得た実績上位の小林優香、快進撃を続ける荒牧聖未は互角とみたい。割って入るなら、このところ当地で好走が目立つ日野未来だ。

3連単(1)(4)(6)ボックス。


◆9R:予選 ここからナショナルチームのメンバーが立て続けに登場する。全員が大外発走。強行軍も見受けられるが、いずれも機動力断然の組み合わせだけに信頼したい。

まずは梅川風子。加瀬加奈子を逃がしてに先にまくるか、好機に先制して押し切る。

3連単(7)-(1)(2)-(1)(2)(3)(5)。


◆10R:予選 太田りゆのカマシ、まくりが決まる。

3連単(7)-(1)(2)-(1)(2)(5)(6)。


◆11R:予選 佐藤水菜の次位争いが焦点だ。

3連単(7)-(1)(3)(4)-(1)(3)(4)。


◆12R:ティアラカップ 児玉碧衣は当地通算24走のうち19走で、最終バックをトップ通過している。率にして8割弱。19走の着順の内訳は【15 3 0 1】、残る5走は【1 3 0 1】で、バックを取ればもちろん、取れなくても大崩れはほぼない。それだけ松戸バンクを掌握している。軸に最適だ。

全員が自力型という組み合わせ。出入りの激しい展開となる可能性が高い。仕掛けどころを熟知した児玉が、うまく他者に足を使わせて好機スパートから押し切る。

3連単(5)-(1)(3)(4)-(1)(3)(4)(6)。


(ニッカンスポーツ・コム公営競技担当)