【藤代信也・オールガールズこう買う】

初のオールガールズシリーズは2014年10月、この松戸で開催された。


3日間、1日につき2レース×3トーナメントの6レース制。通常のガールズケイリン(1日につき2レース×1トーナメント)を3つ合わせたもので、すなわち今シリーズの前半6レースに相当する。


優勝は小林優香、地元・千葉の石井貴子、奥井迪だった。いずれも、後に最強世代と称えられた106期の一員だ。


初開催のオールガールズシリーズ3トーナメントを制した、左から奥井迪、石井貴子、小林優香
初開催のオールガールズシリーズ3トーナメントを制した、左から奥井迪、石井貴子、小林優香

わずか5カ月前にデビューしたばかりの新人トリオが、決勝で百戦錬磨の先輩たちを次々と撃破し、新時代の到来をアピール。その勝ちっぷりが、ことごとく強烈だった。


3人そろって、もがき合いを克服しての逃げ切りV。奥井は荒牧聖未をねじ伏せ、終始マークしてきた実績NO・1の石井寛子も完封した。そして石井貴子は同期の高木真備を、小林は田中まいを退けて快勝。


レースは全て現地で観戦したが、車券の当たり外れなど、もはやどうでもよくなるほどヒートアップした。3人が誇らしげに肩を並べた表彰式の光景は、9年の時を経た今も印象深い。


 
 

今回106期は3人が出場し、初日は小林優香と高橋梨香が予選5着で敗退、奥井迪はティアラカップで6着だった。さすがにナショナルチーム組ら新興勢力の波は大きいが、残り2走で奮起できるか。


◆10R:準決 山原さくらをティアラカップのようにすんなり逃がすまいと、尾方真生や下条未悠も積極的に仕掛ける。太田りゆのまくりごろとみた。

野口諭実可は予選で佐藤水菜のカマシを追走し切って見事2着。太田にも食い下がって3着以内を確保できる。

3連単(4)-(5)-全、(4)-全-(5)。


◆11R:準決 佐藤水菜の相手探しだ。唯一の同型・奥井迪にペースを握られないよう、早めに仕掛けて予選の再現も見込める。

日野未来は松戸では領域展開を使えるかのよう。断然1強の戦況では厳しいが、連争いに期待したい。

3連単(4)-(3)-全、(4)-全-(3)。


◆12R:準決 児玉碧衣はティアラカップで仕掛けどころをつかめなかった。力負けではなく、見限れない。ここは積極型が少ないし、先手必勝のステージ。梅川風子を封じて逃げ切り有力だ。

2着と3着は絞りづらいが、手を広げると儲からない。久米詩を筆頭に4車にまとめる。

3連単(3)-(1)(2)(4)(5)-(1)(2)(4)(5)。


(ニッカンスポーツ・コム公営競技担当)