日刊スポーツ新聞社制定「第37回競輪年間三賞」の表彰式が15日、4年ぶりに読者、関係者約80人を集めて都内のホテルで行われた。2年ぶり2度目の殊勲賞(MVP)に輝いた古性優作(32=大阪)、3年ぶり3度目の技能賞に選ばれた松浦悠士(33=広島)が出席。24年のさらなる飛躍を誓った。敢闘賞の真杉匠(25=栃木)は海外合宿、ガールズ最優秀選手賞の佐藤水菜(25=神奈川)はナショナルチームの練習のため欠席となった。

古性優作は殊勲賞受賞に驚きを隠せなかった。97年の神山雄一郎以来26年ぶりに年間G1・3冠を達成したが「グランプリを松浦(悠士)君が勝って、僕は賞金王も取れなかった。当然、松浦君やと思っていました」。しかし、全会一致と聞かされると「あらためてG1の重みを感じました。賞金で逆転されても、ひっくり返らない評価をいただけたことを光栄に思います」と喜びをかみしめた。

4年ぶりにファンや関係者を集めて行われた表彰式に、松浦とそろって登壇。日刊スポーツ評論家の中野浩一氏とヤマコウ(山口幸二氏)によるインタビューでは、ジョークも交えて軽妙なトークを展開した。最後は「無観客開催も体験したが、ファンの方が近くにたくさんいるほど選手は力を出せる。今年も武者震いするような高揚感の中で走りたい」と、ビッグレースでの活躍を誓った。

「今年は脇本(雄太)さんとタイトルを総なめにする」と臨んだ岐阜G1全日本選抜は、決勝4着。他地区の自力型の成長を感じた。しかし、恐れてはいない。「最大瞬間風速の強いトレンドの選手は、ちょくちょく出てくる。そういう相手からは吸収することが重要。こちらがどんどん吸収することで、相手は埋もれていくんです」。弱肉強食の世界において、常に強者で居続ける秘訣(ひけつ)を語った。このぶれない哲学がある限り、まだまだ古性の時代は続いていく。

 

◆古性優作(左)と松浦悠士の寄せ書きサイン色紙を10人に

希望者は、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を記入し、〒104・8055(住所不要)日刊スポーツ新聞社広告「競輪三賞サイン色紙」係まで。28日必着。当せん者の発表は発送を持って代えます。応募は1人1枚でお願いします。

 

◆中野浩一氏とヤマコウ爆笑トーク

今年も日刊スポーツ評論家の中野浩一氏とヤマコウ(山口幸二氏)が、表彰式を盛り上げた。中野氏が「昔、幸二がグランプリを勝った時に“こんな小さな体でも勝てるんだ”と書いたことがある」と言うと、すかさずヤマコウが「(この記事を見て)その後3カ月間、日刊の購読をやめました」と笑いを取った。さらに中野氏が「なのに今、日刊で評論家をやっている」と返して、会場の爆笑を誘った。

◆木戸寛JKA会長の話 日刊三賞は今年37回目ということで歴史の重みを感じます。4選手はこの受賞を励みに今年も頑張ってください。昨年はガールズケイリンに3つのG1ができ、11月20日が競輪発祥の日として認定されました。今年のパリ五輪では男女の競輪選手の活躍が期待されます。今後も皆さまのご愛顧に応えられるように頑張って参りたいと思います。

◆高田誠日刊スポーツ新聞社代表取締役社長の話 23年度の競輪の売り上げが2年連続で1兆円を超える見込みで、今年に入ってからも軒並み目標を上回る売り上げと人気を維持しているのは、トップレーサーのハイレベルな戦いぶりが直結していると感じます。私たちは今後も読者、ユーザーのためになる情報を届けられるよう、頑張って参ります。