U-16(16歳以下)日本代表FW久保建英(たけふさ、15=東京U-18)が、2試合連続で2得点した。1点リードの前半42分にドリブルから右足で決めると、試合終了間際には得意の左足で2点目をマーク。後半7分にはスルーパスからFW中村のゴールをアシストし、2得点1アシストでチームをけん引した。FW棚橋のハットトリックもあり、日本は8-0の大量得点で2連勝。22日にオーストラリアと対戦する。

 流れるようなボールさばきで、久保がDFの視界から消えた。1点リードの前半42分だった。ペナルティーエリア付近、こぼれ球を拾うと左足でキックフェイントをかけ右へかわす。たまらず飛び込んだ相手を尻目に、振り抜いた右足シュートでゴール左へ決めた。チーム2点目で、前回ベトナム戦に続く連続ゴール。勢いづいた日本はさらにギアを上げた。

 ハーフタイムに激しく降ったスコールも、スペイン・バルセロナで磨いた屈指の技術は関係ない。後半7分には、中へ視線を送りながら右前のスペースへスルーパス。FW中村のゴールをアシストした。芝生というより雑草がはえ、デコボコで軟らかいピッチが雨でさらにぬかるむ。そんな悪環境でも、90分が過ぎてなお貪欲に得点を狙う。ロスタイムには左足ミドルで突き刺し、2得点1アシストで圧勝劇を締めくくった。

 2試合連続大量得点の裏には、森山監督のマネジメント力が大きい。2トップの一角に入ったが、ボールが収まらないと判断すると、前半28分に久保を1列後ろの右MFへスライド。中盤を整えた。さらに前半30分に交代カードを切り、ベンチで積極采配。初戦のベトナム戦を7-0で圧勝した翌日「勝ってかぶとの緒を締めよ」と選手たちに伝え、雰囲気を引き締め送り出していた。

 同監督は「最初は1失点してもおかしくない状況だった。1戦1戦大事に戦いながら成長していきたい」。指揮官が支え、久保という至宝が輝いた。