【リール(フランス)11日】日本代表が1-3で完敗したブラジルとの国際親善試合から一夜明け、フランス・リールで練習を行った。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は小雨の中、17分9秒と長いピッチ上のミーティングから14日のベルギー戦(ブルージュ)への準備を開始。完敗だった試合に、代表から外れている香川真司(28=ドルトムント)が観戦に訪れ、本田圭佑(31=パチューカ)はツイッターで声を上げた。ベルギー戦も注目の一戦になる。

 

 リールに冷たい雨が降った。より寒さが増したが、練習前にハリルホジッチ監督は恒例の円陣ミーティング。ブラジル戦の感想などを伝えたが、終わる気配がない。今遠征で最長の17分9秒も続いた。ブラジル戦後に「後半、我々は勇気付けられた。後半だけなら我々が勝っていた」と手応えを得た指揮官は、次なる難敵、FIFAランク5位のベルギーとの対戦に切り替えた。

 指揮官の発言とは裏腹に、注目のブラジル戦だけに、周囲の反応はさまざま。11日付のフランス紙レキップは、日本の戦いにはほとんど触れず「ブラジルはまるで散歩していた」と、王国が省エネで終わらせたと書いた。

 さらに、遠いメキシコからも意見が。本田はこうツイートした。「自分が出てたとしても結果は変わっていないと言う前提で、差が縮まるどころか広がってると感じた前半30分。後半は完全にリラックスモード。この現状を問題視しないといけない。日本のサッカーが世界トップになるために何をどう改革するべきか、サッカー協会を中心に議論する必要がある」と。

 同じく招集されなかったMF香川はブラジル戦をスタンド観戦。ドイツからわざわざやって来た。試合後にはロッカー室も訪問した。西野技術委員長は来訪に「そういうタイプじゃないと思っていたけど、来てくれた。ハーフタイムに少し話をして、代表への強い思いを感じた」と明かした。仲のいいDF槙野も「チームのために行動を起こしたというのは、リスペクトしかない。コートもおしゃれになったし(笑い)」と香川の変化を感じ取った。招集されている25人も、外れた大物もW杯を目指す気持ちは強い。さまざまな思いを乗せ、真価が問われるベルギー戦に向かう。【八反誠】