なでしこジャパン(FIFAランキング9位)は北朝鮮(同11位)に0-2で敗れ、2勝1敗の勝ち点6で2位に終わった。0-0で迎えた後半20分、引き分けでも優勝が決まる北朝鮮に先制され、37分に追加点を許し、力尽きた。3連勝の北朝鮮が3連覇。高倉麻子監督(49)は就任後初タイトルを逃した。

 完敗だった。スコアレスで迎えた後半20分、日本は北朝鮮FWキム・ユンミに豪快なミドルシュートを決められた。得失点差の関係で優勝のためには勝つしかなく、絶対に与えてはいけない先制点だった。後半37分に追加点を決められて万事休す。大会3連覇を決め歓喜に沸く相手をぼうぜんと見つめるしかなかった。高倉監督は「この悔しさを糧にすることが成長につながる」と声を絞り出した。

 DFキム・ナムヒを中心とした相手守備陣に手を焼き、シュートはわずか5本。試合全体を通して決定機を作れなかった。1点がほしい状況に徐々に焦りを募らせ、後半にはFW岩渕とキムが小競り合いを起こす場面もあった。高倉監督は「岩渕は少しイライラしていて、リズムを作れていなかった」と、同17分にMF中島と交代させた。エースを引きずり降ろされ、その後に2失点を喫した。

 北朝鮮のキム・グァンミン監督はハーフタイムに「守備のことは考えずに全力で攻めにいきなさい」と声をかけ、後半の見違えるような迫力ある攻撃につなげた。失点を重ねて焦り、さらにチグハグな攻撃に終始した日本とは対照的だった。来年4月の19年フランスW杯(ワールドカップ)アジア予選へ向け、スコア以上に不安を残す敗戦だった。【松尾幸之介】