日本との戦いはタフな試合になる-。セネガル代表のアリウ・シセ監督(42)が語った。ワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグH組で、日本とは6月24日(日本時間25日)の第2戦で対戦する。初出場だった02年日韓大会では主将としてチームを引っ張り、前回覇者フランスを倒すなどで8強入り、“旋風”を起こした同国のレジェンドが意気込みと心境を明かした。

 02年以来4大会ぶりのW杯出場へ、自らの腕で母国を導いたシセ監督は、まずH組の印象をこう話した。「(突破の)有力候補はコロンビアとポーランドで、セネガルと日本は失うものがない。ただし、W杯なので簡単な試合はない。どのチームも1位か2位になれる」。冷静な評価の中にも野心は隠さない。

 やはり02年に下馬評を覆して「台風の目」になった実績が大きい。「初出場で、誰も準々決勝まで進むと思っていなかったが、若くていい選手がいて、強い精神力と団結力で成し遂げた」と当時を振り返る。決勝トーナメントでは日本に滞在。「素晴らしい思い出がある」とし、「日本人はおもてなしの心があり、勤勉さや規律の正しさは日本代表チームにも表れている」と続けた。

 では、今の日本代表はその目にどう映っているのか。「欧州でプレーしている選手が多く、メッス(フランス)のGK(川島)やサウサンプトンのセンターバック(吉田)を知っている。日本戦はタフな試合になると思う」。日本が23日に“仮想セネガル”として対戦したマリに苦しみ、1-1と引き分けたことにも「親善試合とW杯は全く別物だ。日本の監督がどう考えているか分からないが、いろいろと試す準備の場にすぎない」と、楽観はしていないようだ。

 本大会で16年前のような躍進はできるか。「よく比較されるが全く違うチームだ。今もトップクラスの選手がいるいいチームだが、W杯はそれだけで勝てるわけではない。時には運も必要になる。まだ準備期間が2カ月あるので、自信を持って臨みたい」。23日と27日の親善試合には30人を招集し、エースのマネらを温存して若手を試すなど、「秘密兵器」の発掘にも余念がない。

 ◆アリウ・シセ 1976年3月24日、セネガル・ジガンショール出身。パリサンジェルマン、モンペリエ、バーミンガムなどで守備的MFやDFでプレーし、09年に現役引退。代表では99年にデビューし、02年アフリカ・ネーションズ杯で準優勝。指導者に転身後、セネガルの世代別代表監督も務めた。15年アフリカ・ネーションズ杯1次L敗退後にジレス監督が退任したのを受けて、同年3月に就任した。