ワールドカップ(W杯)ロシア大会16強の日本代表DF長友佑都(31=トルコ1部ガラタサライ)が、東京オリンピック(五輪)開幕2年前の24日、サッカー男子のオーバーエージ(OA)枠に名乗りを上げた。原則23歳以下が争う大会で、現行通りなら24歳以上が3人までOA枠で出場できる制度。都内で行われたイベント後に取材に応じ「(監督の)森保さんが呼んでくれるなら出たい」と意欲を示した。

 金髪の“スーパーサイヤ人”長友が、次に目指すは金メダルか-。自国開催五輪の開幕がちょうど2年後に迫った日、OA枠での出場を志願した。不動産情報サービス大手LIFULLのアンバサダー兼グローバル本部長への就任発表会に出席した後、OA枠への思いを聞かれ「呼んでくれるなら出たい」と宣言した。

 前段があった。今月5日に都内の焼き肉店で行われたW杯の打ち上げで、A代表コーチを兼ねる五輪代表の森保監督が選手に囲まれた。自然とOA枠の話題になり、森保氏によると「何人かがアピールしてきてくれた。ありがたい」。複数人が自ら売り込んでいた。その1人が長友か。問われると笑顔になり「そういう気持ちはある。いいコンディションで積み上げていって、必要であれば貢献したい」とはっきり口にした。

 実際、2年前のリオデジャネイロ五輪では手倉森監督がサイドバック(SB)を補強ポイントに挙げ、日本協会がリストアップした1人だった。21歳で出場した08年北京五輪は3戦全敗だったこともあり、本人も前向き。「北京は最悪の結果だったし、ブラジル(14年W杯=1次リーグ敗退)でも結果を残せなかった。選手として、1人の人間として、リベンジしたい気持ちはある」と話したこともある。ただ、五輪は選手招集に拘束力が発生しないため、欧州組はクラブの理解を得るのが難しい。当時のインテルミラノが認める可能性は「限りなくゼロ」(当時の霜田技術委員長)で断念し、最終的に国内組の同じ左SB藤春(G大阪)が選出された経緯がある。

 もちろん、現所属のガラタサライと具体的な話はしておらず、2年後は状況も分からない。それでも、ホスト国の顔になる知名度はあり、W杯16強2度の経験を23歳以下の若手に分け与えるメリットは大きい。森保監督に対しても「あんなに心が温かい人はいない。勝てなくて悩んでいた時に相談に乗ってくれて、なごませてくれた。大きな力を持っている」と好印象を持つ。乗り越えるハードルは多いが、まずは出場意思がなければ始まらない制度。リップサービスで終わらなければ33歳の史上最年長OA選手が誕生する可能性も膨らんでくる。【木下淳】