日本代表初ゴールを挙げたMF堂安律(20=フローニンゲン)が国際親善試合ウルグアイ戦から一夜明けた17日、成田空港からオランダへ出発した。国際Aマッチ3試合目で待望の代表初得点。昨夏、19歳でガンバ大阪からオランダへ渡り、移籍1年目でリーグ戦9得点だった東京オリンピック(五輪)世代の星は、ビッグクラブへのステップアップを誓った。各選手は各国リーグ再開に備え、所属クラブへと向かった。

記念ゴールから一夜明け、堂安の姿は一段と大きく見えた。オランダへの出発前、移籍に対して「ステップアップについてポジティブな考えになった」と明言した。今回の代表活動期間中、食事の席でDF長友からビッグクラブへのススメを受け「自分からも聞かせてもらった」という。堂安自身、もともと「バルセロナと対戦したい」と公言するなど、目標は高かった。

アムステルダムから北へ電車で約2時間。静かな街並みのフローニンゲンで堂安は日々戦っている。

「僕の目標は欧州CLに出ること。そのためにずっと結果を求め続けたい」

日本代表入りを目指し、G大阪から海を渡って1年。9月に日本代表へ初招集され、初先発。森保ジャパンで3試合連続で出場し、とうとう初ゴールを挙げた。「W杯(ロシア大会)に出られなかったので、反骨心に変えてやらないといけないと思ってやってきた。次の目標にすぐ切り替えたし、それは(19年1月の)アジア杯。それまでに(代表に)呼ばれる、という道筋はすぐに立てられた」

昨季は激動の年だった。G大阪で主力に定着し、6月のU-20ワールドカップ(W杯)で活躍。直後にオランダ移籍が実現した。1季目でリーグ戦9得点。堂安の名を知らしめた。

「オランダを選んで良かった。(昨季は)9得点やったけど、ごっつぁん(ゴール)が少なくて、個人技の得点が多かった。自分としてはうれしいけど、毎年2桁取るには4、5点そういう(ごっつぁんの)点が必要。点の取り方は覚えてきた。全部身についたとは思っていないけど、感覚的にはいい感じ」

海外移籍して成長した部分がある。「今まで試合見るのもメッシがボール持った時だけ見てたけど、それ以外のところでどんな動きをしているか見るようになった」。特に運動量。オフ・ザ・ボールの動きに注目するようになった。「リバプールのサラーは(点を)決めるけど、スプリントをする回数が多いしカウンターの迫力が参考になる。走るようになってサッカー観、頭の中が変わった」。今月上旬にはフランスのサッカー専門誌が21歳以下の最優秀選手に贈る“U-21バロンドール”候補の10人に、フランス代表のFWエムバペらとともに名を連ねた。20歳のアタッカーの成長はとどまるところを知らない。【小杉舞】

◆堂安律(どうあん・りつ)1998年(平10)6月16日、兵庫・尼崎市生まれ。西宮SSから中1でG大阪ジュニアユースに入団。ユース所属の高2時にクラブ最年少J1デビュー。16年に高3でトップ昇格し、同年U-19アジア選手権で大会MVP。16年度の年間アジア最優秀ユース選手賞。17年夏からオランダ1部フローニンゲン。172センチ、70キロ。