日本サッカー協会(JFA)は23日、6月のキリンチャレンジ杯2試合に臨む日本代表を発表した。

ワールドカップ(W杯)3大会連続出場のベテラン2人が、森保ジャパンに初招集された。GK川島永嗣(36=ストラスブール)とFW岡崎慎司(33=レスター)が18年W杯ロシア大会以来、約1年ぶりに日本代表に復帰した。2人は東京オリンピック(五輪)世代の若手中心の編成となる6月の南米選手権への招集も有力視される。17歳のMF久保、22歳のMF中山ら初招集の若手の指南役としても、期待される。

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注目の17歳の久保の倍以上生きてきた36歳の川島が、33歳の岡崎とともに1年ぶりに代表復帰した。約1年前のW杯ロシア大会で主力とコーチの間柄だった森保監督は2人の献身的な姿勢や、人間性にも触れ、よく知っている。「プレーでの貢献は第一ですが、経験というもの、ピッチ内外のコミュニケーションの中で、経験の浅い選手に伝えていってもらえれば」と期待した。

2人は3度のW杯を経験。14年ブラジル大会では1次リーグで1勝もできず屈辱的な敗退を喫した。昨年のロシア大会では決勝トーナメント進出を成し遂げたものの、史上初の8強入りを狙ったベルギー戦で、ロスタイムの悪夢を味わった。ともに10年近く、海外クラブで生き抜いてきた。戦力外同然の状態から定位置を確保するなど、とにかくしぶとく、たくましい。今回は17歳のMF久保、19歳のGK大迫敬、22歳のMF中山と東京五輪世代の3人が初招集され、22年のW杯で主力と目される若手も多い。A代表と東京五輪代表を兼任する指揮官は、常に「世代間の融合」を口にしており、世界での戦いを知り尽くす2人に、若手の指南役を託す形となる。

川島は今季、所属のフランス1部ストラスブールで公式戦出場ゼロ。岡崎もプレミアのレスターでリーグ戦の先発はわずか1試合。所属クラブでは実戦から遠ざかっている。岡崎は自身のキャリアで初めて、シーズン公式戦無得点に終わった。成績は全く物足りず、試合勘も不安視される。それでも森保監督は招集に踏み切った。

岡崎は既に帰国し、川島も24日(日本時間25日)のリーグ最終節、ハリルホジッチ監督率いるナント戦終了後に帰国予定。ともに南米選手権の招集も有力視される。若手への「道しるべ」としての意味合いが強いが、2人は本気で定位置争いし、4度目のW杯の足がかりにしようと意気込んでやって来るはずだ。