森保ジャパンとなってから初めて日本代表に選出されたFW岡崎慎司(33)が、22年W杯カタール大会への思いを口にした。

チームは3日、豊田市内で冒頭15分を除き、非公開練習。5日のトリニダード・トバゴ戦(豊田ス)に向け調整した。

練習を終えた岡崎は、表情を崩すことなく語った。「今の(クラブでの)結果なら、呼ばれないのが普通だと思っている」。代表で積み上げた得点は50。それだけ長く代表で戦い続けたからこそ、自身の選出に安堵(あんど)はまったくできなかった。

「いろんな状況で、必要として呼んでもらっている」。なぜ今回招集されたのか、ピッチ内外での役割も自覚している。16強に進出した昨年のW杯ロシア大会。直前に右足首を痛めた影響で、思うようなプレーを見せることはできなかった。今、不完全燃焼に終わったもどかしさはモチベーションに変わっている。

「残ったのは、『もう1回、4年後』というもの」。あらためて、W杯カタール大会を目指す気持ちを言葉にした。W杯以来の代表。自身の状況を「また1からスタートするという気持ち。プレッシャーもない」と表現した。昨季限りで、4シーズンをプレーしたプレミアリーグのレスターを退団。現在はスペインを中心に移籍先を探している。

代表を離れている間にメンバーも様変わりした。MF堂安律、MF中島翔哉、FW南野拓実ら、新たな主軸となる選手が次々と台頭した。今回は、17歳という若さで初選出されたMF久保建英もいる。

今回、背番号は18に決まった。長く背負ってきた9ではなくなった。「この形でよかった」。そう言って、続けた。「9番は大事な番号。そうやすやすと、簡単に戻ってくるものであってはいけない」。

脈々と受け継がれてきた点取り屋の特別な番号。今の自分がつけていいものではないという気持ちがあった。「代表だけじゃなく、海外でまた結果を残して戻ってきて、『また9をつけたい』と言えたら」。

終始落ち着いた口調に、闘志がにじんだ。

【岡崎悠利】