【パリ9日=松尾幸之介】なでしこジャパンの高倉麻子監督(51)と主将のDF熊谷紗希(28)が9日、パリで10日(日本時間11日未明)にアルゼンチンと戦う女子ワールドカップ(W杯)フランス大会1次リーグ初戦の公式会見に出席した。主な一問一答は以下の通り。

-初戦を前にした心境と意気込み

高倉監督 いよいよ初戦がきたなと感じていますし、選手のコメントを見ても、楽しむという声が聞こえてきているので、いい状態で入っていけると思います。初戦は難しいものになると思いますし、2戦目も3戦目も簡単な試合はないと思っています。持っているものを全て発揮できるように、しっかりサポートしたいと思います。

熊谷 個人としては本当にワクワクしていますし、大会が始まっていろんな試合を見てる中でも、いよいよだなという気持ちでいます。本当に初戦なので、何が起こるかわからない中、簡単な試合はないと思いますが、チーム一丸となって勝ちがとれるように頑張りたい。

-今大会から採用されているVARの印象と、VARについて監督が選手に落とし込んだこと。VARについて熊谷選手はどう思っているか

熊谷 選手としては大きくやることは変わらないかなということと、何試合か見ていて気になったのは、オフサイドの旗がなかなか上がらないなというのは感じました。笛が鳴るまでプレーしようというのはチームで話している。ルールも変わっているので、そういったところも味方につけられるようにプレーしたいなと思います。

高倉監督 同じ話になりますけど、判定に時間がかかる場面が多いので、笛が鳴るまでプレーをする、集中を切らさずプレーすることです。

-(フジテレビの解説として来ている澤穂希さんから)高倉監督へ、もちろん優勝を目指していると思いますが、それを実現するための入り方で意識していることは何ですか? 熊谷選手へ、試合に臨む前に仲間にどんな声をかけようと思っていますか

高倉監督 1度、優勝したチームというのは誰もがまた優勝を臨んでいると思いますし、多くのファンの方々がその結果を待ち望んでいると思います。我々もその結果に向かって1歩ずつ進んでいこうという話はしていますけど、現実的にそのことが、たやすいかと言えば全くそうではなくて。非常に難しい道のりになるということはみんなで自覚して。ただ、そのことが私たちの支えになっていくのではないかなと思っているので。とにかく1戦1戦、毎試合全身全霊で戦っていくことを選手には要求しています。

熊谷 個人として自分自身3大会目のW杯で、その経験をもとに、仲間にはとにかくこの初戦楽しもうということと、やっぱり仲間がいるからミスを恐れずに戦おうと声をかけようと思っています。

-スタジアムの雰囲気について。実際に訪れて何か感じたこと

熊谷 開幕戦は最高の雰囲気の中、見ていてすごいなという言葉しか出ない感じでした。(会場は)男子のパリサンジェルマンのスタジアムで、なかなかできるところではないので。この規模の大きさは本当にすごいなと感じています。

高倉監督 ドローの時にグラウンドは見させていただいて、今日ロッカーも行かせていただきました。素晴らしい、こういう環境の中でサッカーをやらせていただける、女子サッカーがそういうところまできたんだなと感慨深いものがあります。選手にはこのピッチに立てる時間、全ての時間を自分のものにして楽しんでもらいたいなと思いますし、真剣勝負ができることへの喜びを感じながらプレーしてほしいなと思います。

-別メニュー調整が続いているMF阪口について

高倉監督 多くの経験を持つ彼女をチームに入れることで、チームにもたらすプラスの影響は多大なものがあります。そのあたりを考えた末に彼女をメンバーに入れています。けがの具合というのは、やはり毎日、彼女自身は回復に向かって努力していますので、いつどういう状況にということは言えませんけど、チームの一員として全力で戦ってくれると思います。

-高倉監督体制になって、新チームとして初の世界大会の試合になる。どんなプレーをみせることが、最初の世界大会でうれしいのか。また、勇気を持って戦うとおっしゃったが、そのためにどういった声をかけて送り出すのか。熊谷選手はどんなサッカーをお披露目したいか

高倉監督 この素晴らしい代表チームとしてのW杯は、私にとっては初戦ですけど、選手の時からも指導者になってからも、どの試合でも私は精いっぱい、選手の持っているものを表現してもらうために全力で戦ってきましたので、明日の試合が特別なわけではないですし、勝利に向かって特別なことをやることは明日も変わらないと思います。選手も様子を見ていると、緊張していたら何かしてあげようかなと思っているんですけど、全く緊張していないように見えるので、私自身は全くやることはないと思っています。

熊谷 まずはやっぱり初戦なので、何より勝たないといけない試合だなというのはあって、その中でやっぱり難しいところはあると思いますけど、勝つために日本人の特徴や技術の高さだったり、ひとつひとつのプレーを正確にどれだけできるかだと思います。全員でゴールを狙って、全員でゴールを守れたらなと思っています。

試合は10日午後6時(日本時間11日午前1時)キックオフ予定。