女子ワールドカップ(W杯)フランス大会を戦っている日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク7位)の高倉麻子監督(51)が11日、スコアレスドローに終わった10日の1次リーグ初戦のアルゼンチン戦(同37位)から一夜明け、取材に応じた。

過去4度の対戦で全勝していた格下相手にまさかの引き分け。高倉監督は一夜明けた心境を問われると「いい気分ではないです」と切り出し「正直、やはり勝ち切りたいゲームではありましたし、初戦が難しいということも、決して侮れない相手、難しい相手ということも分かった上で全員が全力で戦いましたけど、結果的にアルゼンチンの守備を崩すことができなかったという現実なので。こういった形で自分たちでつくった状況は自分たちで打開していくしかないと思っています」と厳しい表情で語った。

10日夜にパリで試合を終え、チームは11日昼に第2戦の行われるレンヌに電車で移動した。次戦もアルゼンチンと同様に球際の激しいスコットランド(同20位)が相手。その印象については「欧州で非常に鍛えられている選手、プレミアリーグでやっている選手が多い。技術的にもW杯初出場とはいえ高い選手が多い」と分析。自陣に引いて守ってきたアルゼンチンとは違い、スコットランドは前に出てくるとも予想し「守備に回る時間があったり、攻撃にいく時間があったりというところでは、自分たちの攻撃の良さはもうちょっと出てくればいいなという風には思います」と意気込んだ。

チームには前線の選手を中心にけが人が多く、アルゼンチン戦でも故障明けのFW岩渕真奈(26)を途中起用し、約1カ月ぶりに実戦復帰させた。次戦のメンバーについては初戦から数人の選手を入れ替えることを示唆し「少しポジションで気になるところがあった選手を変えるか、攻撃のところでも少し変化をつくろうかなっていうのはあります。けが人も回復してきていますし、どうしても勝ちたいんだという思いの伝わってくる選手を使っていきたい」と話した。

チームは12日、13日はレンヌで調整し、14日にスコットランドとの第2戦(日本時間22時キックオフ)を迎える。