サッカー南米選手権(ブラジル)が14日(日本時間15日)に開幕する。森保ジャパンは20年東京オリンピック(五輪)を見据えた強化の機会とし、代表23人中、五輪世代を18人招集した。17日(同18日)の初戦チリ戦へ向け、注目の7選手を「TOKYO2020へ輝く男たち」と題し、それぞれの武器を紹介する。

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MF中山雄太(22=ズウォレ)の武器は「適応力」だ。本職はボランチとセンターバック。中盤のサイドやサイドバックでもプレーできる。A代表では「ポリバレント」な存在として貴重な戦力となりそうだ。

高2の春、当時の柏U-18監督だった下平監督に、攻撃的MFからセンターバック転向を命じられた。中山は「ネガティブにしかとらえられなかった」と言うが、負けん気の強い性格で、1つのミスも許されないDFが天職だった。毎試合後必ず、出場試合をすべて映像で見直し、自身の反省点を探し、相手の特徴を研究する。

両親とも教員の家庭で文武両道を歩んできた。柏の下部組織に所属しながら、進学校の柏南高に一般受験で合格。頭脳明晰(めいせき)で努力家。年代別代表では主将を任されるなど統率力もあり、首脳陣からの信頼も厚い。17年U-20W杯韓国大会ではDF冨安とコンビを組んで16強入り。同年のJリーグ、新人賞に当たるベストヤングプレーヤー賞にも輝いた。

今年1月にはオランダ1部ズウォレに移籍し、念願の海外挑戦を実現した。出場は半年で4試合だけと苦しんだが、ポジションはボランチとして勝負する覚悟を決めた。A代表でもその意思は変わらないが「最後に決めるのは森保さんなので、しっかりと任されたポジションで自分の特徴を出し切れることが最重要」。代表定着へ、A代表デビューが濃厚なブラジルでアピールする。【松尾幸之介】

◆中山雄太(なかやま・ゆうた)1997年(平9)2月16日、茨城県生まれ。柏ユース時代にJリーグの公式戦出場が可能な2種登録されトップチームへ。15年6月23日のG大阪戦でJ1初出場。各年代別代表にも名を連ね17年のU-20W杯ではセンターバックとして全試合にフル出場。19年1月にオランダ1部ズウォレに完全移籍。181センチ、76キロ。