日本代表MF香川真司(30)が29日、宮崎県内で行っている自主トレを公開した。気温32度、湿度87%の環境で大粒の汗をかきながら、同じく来季の所属先を模索中のFW浅野拓磨(24)MF井手口陽介(22)と体の使い方の確認やシュート練習を実施。午後には予定を上回る1時間超のサッカー教室を開き、笑顔で県内外の児童らと交流した。

3度目の宮崎個人合宿。夢と公言するスペイン移籍を含めて探している新クラブは「まだ決まっていない」が、勝負の19-20年シーズンへ「30(歳)も超えたし、自分の欧州サッカー人生を左右する1年になる」と覚悟を口に。生き抜くため「変化や刺激が必要」と新たな取り組みを始めた。

代表期間中の今月6日に覚えた左股関節の違和感を1週間で治すと、フィリピン訪問をへて、筑波大に谷川准教授を訪ねた。110メートル障害でシドニーとアテネ五輪に出場した専門家に師事し、走り方を根本から改善して「初速を上げる」ことを意識。武器のクイックネスをさらに高めている。

香川の中学時代(FCみやぎバルセロナ)の同期で専属トレーナーの神田泰裕氏(30)も取材に応じ「モドリッチ(Rマドリード)が34歳でバロンドールに輝いたように昔と違って30歳でも伸びる。常時5、6人のチームを組んで支えている」。香川も「拓磨と陽介がいて、若い選手と(新クラブで)争う予行演習になる」と来季を思い描いた。

トルコ1部ベシクタシュとの契約は満了し、20年夏まで保有権を持つドルトムントも移籍を容認。その中で「決まったら未来を切り開く」。決意の合宿は30日に打ち上げる。【木下淳】