日本代表森保一監督(51)が格下相手にも“ガチ”ジャパンを編成した。日本協会(JFA)は3日、22年W杯カタール大会アジア2次予選モンゴル戦(10日、埼玉)とタジキスタン戦(15日、ドゥシャンベ)の日本代表と、U-22代表のブラジル遠征メンバーを発表。A代表は海外組を史上最多の20人も招集した。森保一監督(51)は移動がハードな厳しい環境で戦い抜いたうえで所属クラブでの定位置争いに挑むことによる成長を期待。厳命の2連勝と、欧州組の自力アップの二兎(にと)を追う。

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どことなく懐疑的な空気を、森保監督が真っ正面から受け止めた。実力差の大きいモンゴルとタジキスタン相手に、海外組を20人も手駒に並べた。若手に経験を積ませてもいいのでは? 長距離移動と時差調整のリスクがあるのでは? 会見で飛び交った疑問の声に、森保監督は「人それぞれ見方もありますので、自由に主張していただければ」と1つずつ耳を傾けた。そのうえで持論を展開した。

森保監督 勝利は戦う前から保証されていることはない。相手が強かろうが弱かろうが、オンザピッチ、オフザピッチでいろんな経験ができる。チームとして経験を共有しながらW杯へむかっていく。

目標はあくまでW杯ベスト8。実現のため、相手不問で「現状ベスト」を求めるのがスタイルで、難易度の高いコンディション調整を課すのを承知の上で欧州組を大挙呼び寄せた。「選手たちは覚悟を持って戻ってきて戦ってくれている。自分のポジションを失うことも考えている中、それでも日本のために戦ってくれている。そういう難しい状況の中、またチームで存在感を示してポジションを奪い取るということをいつもしてくれている」。就任当初から主軸に据えるMF南野は代表では2戦連続ゴール中で、この日未明の欧州CLでは王者リバプール相手に敵地で芸術的ボレーを決めた。国を背負った厳しい戦いと海外での激烈な競争で自己研磨することで、さらなる成長を手にできるとの期待がある。

とはいえ、今回の相手は格下だ。エースFW大迫が不在だろうが、厳しい敵地タジキスタンでの戦いが待とうが、この2試合は問答無用で2勝が条件になる。「勝ち点3ずつ、しっかりとれるように」。ガチを貫きながら、最高の成果を手にする。【浜本卓也】