サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア2次予選で、すでに最終予選進出を決めている日本(FIFAランキング28位)が15日、大阪・パナソニックスタジアム吹田でのF組最終戦でキルギス(同99位)と対戦する(午後7時25分キックオフ)。

この2次予選は2019年9月にスタートし、本来20年6月に全8試合を消化する予定だったが、コロナ禍で大幅に日程が狂った。約2年かけて、ようやく全8試合を消化する。

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キルギス戦は日本にとって消化試合で、東京五輪世代のU-24日本代表にオーバーエージ(OA)枠で加わった主将のDF吉田麻也(サンプドリア)や、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF遠藤航(シュツットガルト)が不在。

同世代のMF久保建英(ヘタフェ)や、DF冨安健洋(ボローニャ)もおらず、けがでFW大迫勇也(ブレーメン)もチームを離れた。

さらに開幕から7戦連続得点中の10番、MF南野拓実(サウサンプトン)も所属クラブの事情で離脱し、不在となった。

もはや主力はかなり少なくなった。

ただ、この2年の間に、主力メンバーの顔ぶれも変わった。

当初10番を背負っていたMF中島翔哉(アルアイン)はいつの間にかいなくなり、中盤の要とみられたMF柴崎岳(レガネス)も、所属先の降格などもあって、選外となっている。

いまや攻撃の要、トップ下にデンと構えるMF鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)は、当初は控えだったが、所属クラブでの経験も糧にし、一気に序列を上げた。

ブンデスリーガのデュエル王、遠藤も完全にポジションを不動のものとした。この2人は、2次予選で、自身の存在が代表に不可欠であると示したといっていい。

右サイドの攻撃的な位置で躍動したMF伊東純也(ゲンク)の成長も著しい。ポルトガルで大きく成長したMF守田英正(サンタクララ)も、この2次予選期間中に、一気に常連となった。

一方で、長く代わらぬ存在感を示している大迫と吉田のベテラン、そして両サイドバック、右の酒井と左のDF長友佑都(マルセイユ)は相変わらず圧倒的な存在感だが、裏を返せば、代役も、存在を脅かすような若手も、見つからなかった。

地味だが、ほぼ正GKとしてほとんど飛んでこないシュートに備えたGK権田修一(清水エスパルス)の存在も忘れてはならない。

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最終予選から、W杯本大会まで、この序列がどう変わっていくのか-。

激しいポジション争いがあってこそ、日本は強くなり、W杯出場、そして、そのW杯でたくましく闘うことができるはず。

新戦力の台頭とレギュラー陣の奮闘、その競争をあおるような森保一監督のメンバー選考と起用にも、期待したい。

そんなイメージを膨らませながら、キルギス戦を見てみるのも面白そうだ。