サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の新監督に、U-19女子代表の池田太監督(50)が就任することが決まった。

日本サッカー協会(JFA)女子委員会の今井純子委員長は、東京五輪での敗戦の反省を生かしながら「目指す方向性自体は間違いない、今までの継続性を大事にしたい」と、高倉麻子前監督の路線を継続することを明言した。

11年W杯でなでしこジャパンは、体格では勝てない欧米相手に、技術や連係、ハードワークで上回り、世界の頂点に立った。ただ、近年は世界の女子サッカーが進化し、体格はそのまま、当時の日本のようなサッカーを展開するようになった。19年の女子W杯や東京五輪では、その相手を倒すことができなかった。

今井委員長は高倉前監督について「個々の判断を大事にする監督。チームのやり方を定めながらも、選手の状況判断で適切にプレーすることを大事にされていた。限定していくことを好まない、それで失われるものを嫌う方で、自由を与えながらトライしていた」とした。

しかし、五輪での敗戦を受けて心境の変化があったようで、「もう少し約束事や決まり事、軸があるほうが、選手が安心してプレーできたのではないか。完全に方向性を変えるのではなく、賢さと技術とコンビネーションで戦うところは持ちつつ、違うアプローチができるのではないか、と思っている」と明かした。

日本人の強みは変わらず生かしながら、チームとしての戦い方をより整理していきたい考えだ。「同じ基本をもちながら、違うアプローチで連動性など強みになるものを高めて戦っていきたい。池田さんは少し違うアプローチで成し遂げてくれるのではないかと、期待している」と、新監督への期待を語った。