サッカーW杯アジア最終予選でB組4位と出遅れている日本代表にあって、負傷離脱中のMF久保建英(20=マジョルカ)、MF堂安律(23=PSV)の11月シリーズへの招集が不透明な状況だ。日本サッカー協会(JFA)は、11月11日のベトナム戦、16日のオマーン戦に向け、状態をチェックすることなどを目的に2人の日本代表コーチを欧州に派遣した。4試合で3得点と得点数ではB組6チーム中最下位の森保ジャパンは、ぎりぎりまで招集の可能性を模索することになりそうだ。

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勝負の11月に向け、日本代表の横内昭展コーチ、下田崇コーチの2人が欧州に渡った。最重要事項は久保の状態を確認することだ。9月22日のレアル・マドリード戦で右膝を負傷し、10月シリーズに招集できなかった。JFA関係者は「現時点では(11月の)招集は厳しそう」と語る。また、マジョルカのガルシア監督も「すべてが予想したより遅れている。タケはもう少しかかる」と明かしている。

日本代表は7日にサウジアラビア0-1で敗れ、一時は崖っぷちに追い込まれた。12日のオーストラリア戦に2-1と勝利し危機を脱したが、4試合を終えて3得点はB組で最下位。11月のベトナム、オマーン戦はどちらもアウェーとはいえW杯出場へ2勝が絶対条件。得点力ある久保がチームに加われるかどうかは、大きなポイントになる。

JFAの反町技術委員長は14日のオンライン取材で、コーチの派遣について「大きな戦力なので、彼ら(コーチ)の力も頼りにしながら現状把握をする」と話した。日本協会はドイツ・デュッセルドルフに拠点を持ち、選手がケアを行う設備も整っている。しかし久保がいるスペインのマジョルカ島からは遠いため、コーチが現地で視察する。

スペインメディアによると、久保は少なくとも23日のバレンシア戦までは間に合わない。日本代表の森保監督は、19年には負傷から復帰して試合に出場していたFW大迫に対し大事をとって招集を見送るなど、選手のコンディションを最優先にしてきた。反町技術委員長も「状態が100%でなければ招集は難しい」と語っており、ぎりぎりの判断を迫られることになる。

久保のみならず、代表の練習中に負傷離脱したMF堂安についても、現地メディアが「1カ月ほどの離脱」と報じるなど今後は不透明な状況だ。厳しい移動との戦いにもなる11月だが、ここで勝ち点を落とすことがあれば、再びW杯切符は遠のく。攻撃陣の起爆剤となりうる久保、堂安の回復具合が今後の焦点になる。