日本代表DF吉田麻也主将(33=サンプドリア)が、ほぼベストメンバーで来日したFIFAランク1位のブラジル戦で、現状の力を見極める。試合前日の5日に取材対応し「確実に力の差はある。本大会を見据えて現実的なサッカーをしないといけない」と、冷静に語った。

国際Aマッチ出場116試合。数多くの強敵と対峙(たいじ)した中でも、自身3度対戦したブラジルには苦い思いをさせられた。全試合で3失点以上を喫しており、エースのネイマールからの6失点を含めて計10失点。直近の17年の対戦では自らの反則でPKを献上し1-3で敗戦した。前半を無失点に抑えられたこともない。

W杯を考えれば、早い時間帯での失点は命取りになる。格上のドイツ、スペインとの対戦も決まっている。「0-0の時間をどれだけ長くするか。仮に0-1になっても粘り強く、なんとか1点をもぎ取って勝ち点1を取る。ネイマールは要注意人物ではありますが、どの選手も危ないなというのが正直なところ。粘り強さが大事になる」。アジアの舞台ではまず味わうことのない戦いは「良くも悪くもまだ若いチーム」と話す森保ジャパンには糧になる。

もっとも、はじめから勝ち点1を目指すわけではない。立ち上がりは攻め込まれることも想定し「勢いを止めることが大事。最初の(守勢の)流れを断ち、自分たちの流れに持っていきたい」。W杯でベスト8を狙うチームにとっては絶好の試金石。意義のある一戦にする。【岡崎悠利】

 

○…キャプテンの不安を払拭(ふっしょく)するほどの盛り上がりとなりそうだ。国立は、満員となる見込み。約6万8000人のファン、サポーターが詰めかける。吉田は「たくさんの人にブラジル戦のチケットを頼まれて。盛り上がっているのかなと個人的には思っていたけど、札幌(パラグアイ戦)でチケットが売れ残っているを知って」と嘆いていたが、今回のチケットは即完売。最高の雰囲気で、極上の戦いを届ける。