フル出場したDF中山雄太(25=ハダースフィールド)は、この日の結果に「最低限」と繰り返した。

左サイドバック(SB)で先発出場。前半はなかなかチャンスメークできるシーンが少なかったが、後半にかけて攻撃につながる場面が増えてきた。「結果を求められますし、そこは最低限、守備としてゼロで抑えられたというのは、選手同士でも最低限だねっていう話はしました」。FIFAランクで24位の日本に対し、14位の米国相手の完封勝利。中山も球際の強さを見せつけたが、満足する様子は少しもなかった。

この日、4-2-3-1の2列目左で先発したのはMF久保。守備のカバリングに重きを置いたこともあり、生かし切れなかったことを次戦への課題にした。

「前半タケフサ(久保)だったので、そこの良さをしっかりと出せなかったというのは改善が必要。間違いなく助けられる、頼りになる部分がある。そこはもっともっと生かせるように」

ワールドカップ(W杯)本番まであと2カ月を切った。チームとしての成熟と個人の競争を両立する今。中山は「濃い」と表現した。「1人1人がW杯というものに対して競争意識があって、自分が残りたいという気持ちがあるんですけど、まず第一にチームとしてバラバラになることが一番良くないと思う。そこはバラバラになることなく、かつ、すごく濃いものになってきてると思う」。同じ左SBにはベテラン長友も控えるが、この日はフル出場でアピール。濃い時間はまだまだ続く。