サッカー日本代表(FIFAランキング20位)が24日、ウルグアイ代表(同16位)と対戦し、1-1で引き分けた。MF西村拓真(26=横浜)が0-1の後半30分に出場1分で同点ゴール。MF伊東純也(30=スタッド・ランス)の右クロスに走り込んで合わせ、代表定着をアピールした。躍進した昨年のW杯カタール大会からの再出発となる1戦を終え、28日にコロンビア代表(同17位)との一戦に向かう。

   ◇   ◇   ◇

26年W杯への号砲を上げたのは西村だった。前半38分にスペイン1部レアル・マドリードのMFバルベルデに先制点を許し、迎えた後半30分。伊東の右クロスに、体を投げ出しながら合わせてゴールに蹴り込んだ。出場から1分足らずで、ファーストタッチでの同点弾。敗戦の危機を救い「(伊東)純也くんと、あそこに入ると話していた。その通りになった」と胸を張った。

途中出場の2人によって生まれた得点。伊東を投入。W杯でも主力だったMF鎌田に代わった西村は、A代表経験は国内組主体だった昨年7月の東アジアE-1選手権のみだった。経験は浅いが「これからのチーム作りで、新しいものを作ることを忘れない」と、劣勢の中でもピッチに送った森保監督の期待に応えた。

E-1選手権で初めて日の丸を背負い「またあの舞台で戦いたい」と燃え上がる気持ちがわいた。欧州組主体の“ガチメンバー”に飛び込んだ。「僕たち新しい人がどうやってこじ開けていくか。学ぶところはあるけど、負けるつもりはない」。代表経験こそ浅いが、18年から20年にかけて在籍したロシア1部CSKAモスクワでは欧州チャンピオンズリーグも経験。挑戦者で終わるつもりはない。

飽くなき探究心の持ち主。昨季仙台から横浜に加入したのも「自分に足りないところを最も求められるチームだと思ったから」。代表に成り上がり、チームが息を吹き返す1発を決めても「本当に(主力組を)脅かすには今のままでは厳しい。まだまだ物足りない」と、ギラギラした目つきを緩めることはなかった。

国立から始まった森保ジャパンの第2章。指揮官が「攻撃につなげるところはなかなか合わなかった」と語るように、26年W杯で8強以上に進むカギである試合の支配力はまだまだ発展途上だ。選手間の競争がこれからさらに激化する気配も漂う中、28日のコロンビア戦で次は勝利をつかむ。【岡崎悠利】

▼途中出場の1分後に得点 西村(横浜)が0-1の後半29分に途中出場し、その1分後の同30分に同点ゴール。日本代表の国際Aマッチで、途中出場の1分後にゴールはFW中山雅史(磐田)に並ぶ「最速」記録。中山は01年8月15日のオーストラリア戦(エコパ)で2-0の後半20分に途中出場し、同21分にFW柳沢敦(鹿島)が獲得していたPKで得点した。

◆西村拓真(にしむら・たくま)1996年(平8)10月22日生まれ、愛知県名古屋市出身。4歳でサッカーを始め、高体連の強豪である富山第一から15年にJ2仙台へ入団。18年8月には元日本代表の本田圭佑も在籍したロシア1部CSKAモスクワへ移籍。20年にポルトガル1部ポルティモネンセへ期限付き移籍、同年に仙台に期限付き移籍で復帰し、21年に完全移籍。同年12月に横浜へ完全移籍すると22年シーズンでJ1優勝に貢献。国際Aマッチ3試合出場、2得点。178センチ、76キロ。

【日本代表詳細ライブ】新生森保ジャパン初陣 西村拓真の同点弾でドロー