サッカーU-20ワールドカップ(W杯)アルゼンチン大会(5月20日~6月11日)に出場する日本代表メンバー20人が8日、発表された。

冨樫剛一監督は、シュツットガルト(ドイツ)のセカンドチームでプレーするDFチェイス・アンリ(19)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)BのMF福井太智(18)、バルセロナ(スペイン)のフベニールA(U-19相当)でプレーするDF高橋仁胡(17)と、U-20代表史上過去最多となる3人の海外組を招集。世界を知るメンバーとともに世界一獲得を誓った。

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冨樫監督は、目標を「世界一」に設定した。高橋を含めたアジア杯メンバーにアンリと福井の2人を加える形でチームを編成。欧州視察で海外組のプレーを直接確認し、「彼らが戦っている日常が間違いなく(U-20)W杯のレベルに近い。なので彼らが私たちのチームには間違いなく力になる。必要になる」と選考理由を明かした。

アジア杯を戦った高橋以外の2人は戦力として未知数ともいえるが、アンリはチームで主力として奮闘しており、福井もチームでプレースキッカーを任されるなど信頼を勝ち取っているという。「今まで積み重ねてきたベースからプラスアルファで選んだ」と指揮官が語るようにあくまでベースは東京MF松木ら国内組だが、「世界基準」を知るメンバーとの化学反応に期待がかかる。

日本は1次リーグで、アフリカ王者のセネガル、昨年5月のフランス遠征で敗れたコロンビア、欧州2位のイスラエルと戦う。日本は過去2大会ベスト16で敗退している上に、今大会メンバーはコロナ禍の影響で、U-17W杯を経験していないが、「未知との遭遇にはなる。知らないからこそ思い切って高い目標を掲げて、それでも目の前の1戦1戦をしっかり戦ってそこにたどり着きたい」と力を込めた。

過去の海外組招集は、99年の永井雄一郎(カールスルーエ)、17年の山口瑠伊(FCロリアン)の2人のみ。1大会に限れば1人が最大で、今回一気に3人まで増加した。「若い選手たちは夢じゃなくて目標として世界一を語ってくるレベルに日本はなっていると感じている」。アジア杯では、準決勝敗退に終わったが「アジアのNO・1にはなれなかったけど世界一という目標は下げません」。若武者たちと世界の頂点を目指す戦いが始まる。【佐藤成】

◆チェイス・アンリ(CHASE Anrie)2004年(平16)3月24日生まれ、神奈川県横須賀市出身。3歳から米国に移住し、中学1年の夏に帰国。長沢中、FC湘南ジュニアユース、尚志を経てシュツットガルト入り。世代別代表歴はU-17、U-21、U-22。日本高校選抜。利き足は右。抜群の身体能力、高さが特徴のセンターバック。183センチ、75キロ。

◆福井太智(ふくい・たいち)2004年(平16)7月15日生まれ、神奈川県横須賀市出身。久里浜FCから鳥栖U-12、U-15、U-18。17歳で鳥栖とプロ契約。今年1月からバイエルン・ミュンヘンへ移籍した。世代別代表歴はU-15、U-16、U19。利き足は右。ドリブル、パス、シュートどれも一級品のゲームメーカー。172センチ、67キロ。血液型A。

◆高橋仁胡(たかはし・にこ)2005年(平17)8月17日生まれ、スペイン出身。アルゼンチン人の父と日本人の母を持つ。19年にバルセロナと契約し、下部組織に入団。現在はU-19相当のフベニールAに所属。世代別代表歴はU-16スペイン代表、U-19日本代表。利き足は左。正確なクロスと攻め上がりが魅力のサイドバック。173センチ、63キロ。