日本代表(FIFAランキング19位)がチュニジア(同29位)を2-0で下し、国際Aマッチ6連勝となった。11月から始まる2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を前に最後の実戦でも自慢の攻撃陣が地力を発揮し、昨年6月に0-3と敗れていた相手にリベンジも果たした。

13日にカナダを4-1で下し、直近5試合で22得点と攻撃陣が爆発する中、日本は4-3-3布陣。GKに鈴木彩艶(シントトロイデン)を抜てきし、注目の攻撃陣には中盤の真ん中にMF久保建英(Rソシエダード)、FWは左に旗手怜央(セルティック)、中央に古橋亨梧(セルティック)、右に伊東純也(Sランス)を並べた。

立ち上がりから久保を中心に両サイドを使った攻撃で試合を優勢に進めた。前半12分にFKから久保が直接ゴールを狙ったが、壁の足もとを突いたグラウンダーのシュートはGK正面。同23分、久保の進入から最後はこぼれ球を旗手が狙ったが、シュートはゴールバーを超えた。その後も再三、押し込みシュートを放ったが、ゴール前を固めるチュニジアのブロックに遭い、押し込みながらも膠着(こうちゃく)状態が続いた。

待望の先制点が生まれた。前半43分、MF守田英正(スポルティング)、久保のパスワークから中央を崩し、旗手がスルーパスを狙うと、これが相手選手に当たり、古橋の足もとにこぼれた。これを冷静に右足で押し込んだ。

森保監督は、後半開始から古橋に代えてFW上田綺世(フェイエノールト)をピッチに送り、好調の久保を軸に攻勢を強めた。17分には上田のクロスからDF菅原由勢(AZアルクマール)が右足で強烈なシュートを放ったが、ゴール左に外れた。それでも日本にゴールの予感は高まる。19分には旗手に代えて浅野拓磨(ボーフム)を投入。フレッシュな選手を入れることで攻撃の活性化を図った。

そして追加点が飛び出した。後半24分、久保が左サイドをドリブルで縦に抜け出し、ゴール前へグラウンダーのクロスを送る。これを伊東が落ち着いて右足で蹴り込み、2-0とリードを広げた。

その後も上田がポストを直撃する強烈な左足シュートを放てば、浅野はスピードに乗ったプレーで相手の脅威となるなど自慢の攻撃陣が見せ場をつくった。躍動した久保は後半37分で途中交代となり、期待されたゴールはなかったが、その存在感は際だっていた。

後半ロスタイムには相手のヘディングシュートがポストをたたく場面こそあったが、被シュートはこの1本だけ。一方で16本のシュートを浴びせ、スコア以上の完勝だった。

森保ジャパンの連勝は7試合が最多で、それに続く6試合。ただ欧州の実力国のドイツ、トルコに加え、今回も昨年のW杯出場国のカナダ、チュニジアを相手に快勝。6試合連続の4得点以上とはならなかったが、日本の強さは本物と言える。

来年1月には、2011年以来3大会ぶり5度目の優勝を目指してアジア・カップに臨む。

【動画】華麗なパス回しでチュニジアの守備を切り裂き、最後は古橋亨梧が先制ゴール>>