<オーストラリア発・記者コラム>

 日本代表が戦うヨルダン戦の舞台・メルボルンは、サッカーよりもテニスで盛り上がっている。

 市内を流れるヤラ川沿いでは、全豪を大型ビジョンで見られるパブリック・ビューイングが設けられていたり、町中にも全豪の車やフラッグがたくさん。偶然にも日本戦と錦織選手の試合が同じ日で、お互いの会場は道路を1本挟んで隣接。異種競技がオーストラリアのこんなに近い場所で国際戦を繰り広げるのも珍しい。

 中心部にある日本でも有名な「ユニクロ」の店舗内には、やはり錦織選手の特大パネルがあった。ジョコビッチと並び、まさに「顔」としてデカデカと掲げられていた。前日練習で会場に向かう際、タクシーの運転手も知っていた。「全豪があるから渋滞ばかりだよ。でもニシコリはいい選手だね!

 ベスト4くらいはいくかもしれないね。ところでなぜアジア杯がオーストラリアで開催されているんだい?」。今やサッカー界ではオーストラリアがアジアに所属していることは当たり前になっている。しかし、オーストラリア国民からすれば、まだまだ不思議なのかもしれない。【栗田成芳】