Jリーグの村井満チェアマン(60)が19日、経営難に陥ったサガン鳥栖と協議中であることを認めた。

ウェブによる実行委員会後の会見で「PL(損益計算書)上の問題とキャッシュフローの議論がありまして。このあたりを精査しているところ。現在、クラブと担当者レベルで意見交換している」と話した。

村井チェアマンが鳥栖経営危機の報告を受けたのは開幕(2月21日)直前で、Jリーグ事務局担当者によると「ライセンス制度のルールに基づいて1月末、定期的な話の中で資金繰りの話になった」という。その後、Jリーグ担当者と鳥栖の間で協議を重ねている。

鳥栖は昨季、5億円以上の赤字を出し、今季も資金難に苦しんでいる。仮に「リーグ戦安定開催融資制度」を適用しようにも、返却のめどが立たないと、Jリーグからの融資も難しくなる。場合によってはクラブライセンスにも影響し、2部か3部降格や除名などの可能性も出てくる。

村井チェアマン クラブライセンス事務局が会議の内容を精査していて、今季もし赤字等の見通しになれば、19年決算を減損処理しないといけなくなる。事実上の債務超過にあたるので、ライセンス上の影響がどう出てくるか。もう1つ、手元資金がなくなった場合はJリーグがどのように融資していくか。これも理事会ジャッジなので、前段階で担当レベルで協議している認識です。

鳥栖の竹原社長は佐賀・鳥栖市のクラブハウスで練習前、選手に現況を説明して謝罪した。「こういうふう(存続危機)に言われてゴメンなさい。心配する必要はない」。その後、メディアに対し「(Jリーグから融資は)まったくない。100%ない」と前日に続き強気の発言をしながらも「コロナもあるし(融資ではなく)形が変わると思う。制度があるものはしっかり使っていこうというのはあります」と、トーンを下げた。