金の卵たち
【第1回】今季急成長 日本人金1号狙う
- 「目標は金」と語る足立
4年に1度の「アジア版オリンピック」のアジア大会が12日から中国・広州で開幕する。同大会は2年後に迫った12年ロンドン五輪への、実力を測る戦いでもある。マラソンの高橋尚子さんも、競泳の北島康介も、アジア大会での優勝を、2年後の五輪金メダルへつなげた。日刊スポーツでは「金の卵たち」と題し、2年後の五輪メダルが期待されるアスリートを5回にわたって紹介する。1回目はトライアスロン女子でアジア勢最高の世界ランキング9位、足立真梨子(27=トーシンパートナーズ・チームケンズ)の強さと素顔に迫る。
足立がメモリアルな金メダルを狙っている。女子トライアスロンは開会式翌日の13日午前10時から開始。2時間を超える戦いを制すれば今大会の「日本人金メダル第1号」となる可能性がある。そして同競技の日本人金メダル第1号にもなる。「今年の1番の目標は世界選手権シリーズでも、日本選手権でもなく、アジア大会での金メダル」と誓いを立てている。
昨季31位の世界ランクは今季9位に急浮上した。昨年12月の右足首の故障が契機だった。これまでなら焦って時期尚早の復帰をしていたが「目指すものが何かを考えた時に、五輪でのメダルということを確認した。それなら焦る必要はない」。満を持して臨んだ今季初戦の4月の世界選手権シリーズでいきなり4位。眠れる才能が開花し始めた。
ここまでの道のりは長かった。かつては競泳選手。大阪・枚方SSではアテネ五輪銅メダルの中西悠子と練習に励んだ。現所属の飯島健二郎監督から誘われ、大学2年時にトライアスロンに挑戦。初出場の沖縄・石垣島の大会で一般の部を制し、競技にはまった。
だが04年、大会中に自転車で転倒。左手首を骨折し、恐怖心が止まらなくなった。その後、父親が56歳の若さで亡くなったことも心の傷を広げた。「何もしたくなくなった」。競技から離れ、就職活動も行った。
復帰のきっかけは飯島監督だった。大阪の実家に線香を上げに来てくれた。「つらい時に、私のことを気に掛けてくれる人がいる」。再挑戦を決意した。06年に上京。飯島監督率いるチームを家族のように思い、競技に打ち込んだ。
08年北京五輪はチームメートの井出樹里が5位入賞を果たした。「活躍を目の当たりにし、私はここで終わりたくないと思った」。今回は自分が活躍する番。「それがロンドンのメダルにつながると思う」。足立はアジア大会の先に五輪を見据える。【広重竜太郎】
◆トライアスロン日程 女子は13日、男子は14日に行われる。
- 足立真梨子(あだち・まりこ)
- 1983年(昭58)7月21日、大阪府枚方市生まれ。太成高を経て、同志社大を卒業し、トーシンパートナーズ・チームケンズ所属。今季の世界選手権シリーズは4月のシドニー大会、6月のマドリード大会でともに4位。162センチ、51キロ。
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