金の卵たち
【第2回】同時出場弟に手本残す
- 兄弟で代表に選出された松本隆太郎
レスリング男子グレコローマン60キロ級で9月の世界選手権銀メダリストの松本隆太郎(24=群馬ヤクルト販売)が兄弟で五輪の夢を追いかける。同選手権ではフリー84キロ級の弟篤史(22)と「史上初の同一大会での兄弟代表選出」の快挙。今回のアジア大会も、ともに代表に選出された。
世界舞台での成績は好対照だった。昨年8強の松本は04年アテネ五輪金メダルの鄭智鉉(韓国)を撃破するなど、優勝へあと1歩だった。だが初出場の篤史は緊張もあり3回戦敗退。「歳が近い分だけ『あいつには負けられない』という思いは強い。篤史は今回、悔しい思いをしたと思う」。兄として弟をおもんばかった。
幼少のころから地元群馬の同じレスリング場に通った。「おかずの取り合いとか、ささいなことで小さいころはケンカだらけ」(松本)。それでも進む道は同じだった。館林高、日体大と同じ学校に進学し、競技に励んだ。
だが試合になるとなかなか兄弟そろい踏みとはいかなかった。不思議とどちらかが勝てば、片方は負けた。それだけに5月の全日本選抜選手権、プレーオフでともに結果を残し、世界選手権代表に選出された時は「今まで兄弟そろって同じ大会で優勝したことがなかったので本当にうれしい」と弟は喜んだ。
今回のアジア大会は2年後のロンドン五輪を見据えての戦い。レスリングはアジアも世界レベル。特に松本の階級は世界選手権10位以内に6選手がアジア勢で占める。「自分は今回も成績を残す。弟への悪い手本にはなれませんから」。世界選手権の銀メダル獲得で1つ、弟に教えられることがある。「本当に騒がれるのは五輪の金メダルだけ」。兄として五輪への道のりの先頭を歩む。【広重竜太郎】
◆レスリング日程 男子グレコローマンは21日~23日。松本も出場する同60キロ級は21日。男子フリーは23~25日。女子は25~26日に行われる。
- 松本隆太郎(まつもと・りゅうたろう)
- 1986年(昭61)1月16日、群馬県館林市生まれ。5歳から競技を始める。館林高3年時に高校選手権、国体で優勝。日体大に進み、06年は世界ジュニア選手権7位、全日本選手権2位。07年はアジア選手権5位。群馬ヤクルト販売に入社し、09年は全日本選抜選手権、全日本選手権ともに初優勝。168センチ。
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