金の卵たち
【第3回】五輪メダルへ呉越同舟
- W杯7戦で優勝した近藤(左)と田畑(撮影・添畑薫氏=アビームコンサルティング提供)
セーリング女子470級日本代表の近藤愛(30)、田畑和歌子(28=ともにアビーム)組は、今大会の絶対的な金メダル候補に挙げられている。現在の世界ランクは9位。日本以外で出場するのは同48位の中国と同80位のシンガポールの2艇だけ。それでも近藤は「絶対に勝てる相手にきちんと勝つということが大事」と気を引き締める。
近藤には苦い経験がある。鎌田奈緒子と組んで08年の北京五輪に初出場した。同年、世界ランク1位に輝いた“コンカマ”は、メダル獲得が期待されていたが、「何もかもが初めてで驚きの連続。集中できなかった」(近藤)。結果は14位。五輪後、鎌田は引退。近藤は、相棒を失った。
近藤も去就に悩んでいた。そこに救世主が現れた。アテネ、北京の両五輪で、近藤のライバルとして代表を争った田畑だった。「五輪を目指すなら、田畑さん以外は考えられなかった」。田畑は近藤と同じスキップ(かじ取り役)担当だったが、クルー(セール操作や進路判断の役)担当に転向して、08年12月に“コンタバ”が結成された。
田畑は甲陵中(兵庫)時代に外国の女子選手から「告白」されたほどの“イケメン”。しかし、体重移動で艇の進路を変えるクルーになるため、体重を約15キロも増量した。「現在が人生初という体重」は73キロ前後。「3食だけでは補えないので、練習後にすぐにパンやおにぎりを食べていた」。何よりも競技を最優先している。
結成間もないが、2人の才能は天下一品だ。09年のオランダでのW杯第5戦で、海外レース初出場で優勝を飾った。今年7月には世界ランクで1位に躍り出た。12年ロンドン五輪と同時期、同会場で行われたW杯第7戦でも優勝し、近藤は「自信になった。会場は私たちに向いている」と2年後の「本番」に早々と手応えをつかんだ。「五輪の目標は表彰台」(近藤)。新生“コンタバ”は、順風満帆に広州でも快走する。【吉松忠弘】
◆競泳日程 競泳は13~18日。酒井の出場する女子背泳ぎ200メートルは14日、同50メートルは15日、同100メートルは17日に行われる。
- 近藤愛(こんどう・あい)
- 1980年(昭55)11月5日、八王子市生まれ。6歳でヨットを始め、日大時代はインカレ3連覇。06年世界選手権では準優勝に輝いた。鎌田奈緒子とのコンビで08年世界ランク1位。同年同ペアで出場した北京五輪女子470級は14位。160センチ、57キロ。
- 田畑和歌子(たばた・わかこ)
- 1983年(昭58)10月12日、横浜市生まれ。幼少からヨットを始め、高校はヨット留学で福岡第一高に。02年全日本3位。アテネ五輪、北京五輪ともに代表選考レースに敗れた。北京五輪後、スキッパーからクルーに転向し、近藤愛とのペアを結成した。166センチ、70キロ。
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