世界陸上選手権の2005年ヘルシンキ、07年大阪両大会で採取された検体の再検査で28選手、32件のドーピング違反が判明したことに日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の高橋建志事務局次長は12日、「日本選手がいなければいいし、通知もないので静観するしかない」と推移を見守る姿勢を示した。国際陸連は日本勢が含まれるかについては「現段階では不明」としている。

 今回の違反は国際陸連が4月から最新の技術を用いて実施した再検査で発覚した。検体の保存期間が従来の8年から10年に延び、過去に検出できなかった薬物の摘発につながった。日本陸連の山沢文裕医事委員長は「(検査の)感度が高くなってきたのは良いこと。国際陸連が検査を徹底してきた成果」と歓迎した。