昨年のロンドン世界陸上金メダリストやシーズンベスト記録でトップの選手など、本命が順当勝ちした種目が多かった。男子走り高跳びのムタス・エッサ・バルシム(26=カタール)は「8」、女子800メートルのカスター・セメンヤ(27=南アフリカ)は「11」と、出場したダイヤモンドリーグでの無敗記録を伸ばした。

 女子800メートルはセメンヤが1分57秒25で圧勝した。500メートルでペースメーカーが外れるとすかさずトップに立ち、2位のフランシーヌ・ニョンサバ(25=ブルンジ)に10メートル近い差をつけた。

 「1分57秒も悪い記録ではありませんが、前半をもう2秒くらい速く入りたかった。でも、私は勝つことを楽しんでいます。今年の目標はすべてのレースで勝つことです。勝ち続けていれば記録もついてくるでしょう」

 ニョンサバもリオ五輪、昨年の世界陸上の連続銀メダルの選手。セメンヤの力が抜き出ていることがオスロでも証明された。

 男子400メートル障害は昨年のロンドン世界陸上金メダリストで、地元のカルステン・ワルホルム(22=ノルウェー)が9台目まで先頭を走った。だが10台目でアブデルラーマン・サンバ(22=カタール)が逆転し、一気に差を広げて47秒60で優勝した。

 サンバは今季出場した4レースすべてで47秒台を出し、ダイヤモンドリーグは3連勝。「私はもっと速く走ることができると感じている。47秒に近づいていくこともできる」

 男子400メートル障害で史上2人目の46秒突入も期待できるほど、今季のサンバは強さを見せている。

 

◆今季の女子800メートル

 リオ五輪&ロンドン世界陸上金メダリストのセメンヤの独壇場だ。

 4月の英連邦大会では2位のマーガレット・ワンブイ(22=ケニア)に1秒39、5月のダイヤモンドリーグ・ユージーン大会では2位のアジー・ウィルソン(24=米国)に0秒94、そしてオスロ大会でニョンサバに1秒32差をつけた。ワンブイはリオ五輪の、ウィルソンはロンドン世界陸上の銅メダリスト。前述のようにニョンサバは両大会の銀メダリストである。

 ユージーン大会の上位3人のセメンヤ、ウィルソン、ニョンサバがそのまま今季リストの1~3位。セメンヤの1分55秒92から1秒以内に3人が入っているが、タイム差以上にセメンヤが突出している印象がある。