20年東京オリンピックのマラソン代表(3枠)の2枠を懸けたMGCで、前田穂南(23=天満屋)と鈴木亜由子(27=日本郵政グループ)が代表権を獲得した。15キロ過ぎに前に出た前田はその後、増田明美さんから「ど根性フラミンゴ」と名付けられた長い足を使って独走し、2時間25分16秒でゴールに駆け込んだ。前田を懸命に追った鈴木が小原怜(29=天満屋)にわずか4秒差で2位に入った。

身長166センチ、手足の長い前田が先頭で、いちょう並木に戻ってきた。17年8月の北海道を制して女子一番乗りでMGC出場を決め、計画的に強化して鍛えた足はリズムよく動いた。「どういう状況でも対応できるように自分のリズムで走りたい」。2位との差は20キロ地点で2秒、24キロの芝公園の押し返し地点で30秒。20キロ以上独走してゴールを駆け抜けて笑みを浮かべた。

「しっかり優勝狙っていたのでうれしいです。自分でいくと決めていた。最後まであきらめず粘って走った」。

大阪薫英女学院高時代は全国高校駅伝は3年間控え。15年に天満屋に入り、花開いた。17年1月に初マラソン。2戦目でMGCの切符を獲得すると、18年1月の大阪国際は自己記録の2時間23分48秒で2位に入った。ここ2戦は故障や悪条件に苦しんだが、天満屋の看板を背負った23歳は、力強く初の五輪となる東京大会の出場権を得た。「これから世界で勝負していけるように力をつけたい」。もちろん、今はまだ通過点にすぎない。