<陸上:女子マラソングランドチャンピオンシップ>◇15日◇東京・明治神宮外苑発着42・195キロ

女子1号のMGC出場権獲得者だった前田穂南(23=天満屋)が2時間25分15で優勝し、2位に3分47秒差をつける独走で東京オリンピック(五輪)代表切符をつかみ取った。

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前田はピアノを2歳から高3まで続けた。小・中学校の卒業式では学校を代表して「旅立ちの日に」を伴奏。中学2、3年に出場した関西のコンクールでは100人中数人という表彰を受けるほどの実力者だった。母麻理さんは「リズム感が陸上に生きてる部分もあると思います」と話した。

「高校生になってから手足が長くなった」と麻理さん。O脚を直すため、高校時代まで「正座禁止令」を課したことが奏功し、ストライド走法を支える、スラッと長い健脚が備わった。

天満屋の同僚で、今年の世界選手権マラソン代表の谷本観月(24)は前田の意外な一面を披露。「天然ボケ」で「ある子がピンぼけした集合写真を見て、前田だけ過呼吸になるんじゃないかというぐらい笑いこけていた」と明かした。