【ドーハ2日=上田悠太】日本陸連の麻場一徳強化委員長が2日、世界選手権が開催されているドーハで報道陣の取材に応じた。

男子100メートルの準決勝でサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)がスタートの合図が聞こえなかったことに関し、国際陸連に質問状を送ったことを明らかにした。レース翌日の29日朝にスピーカーなど音響システムに関して「作動していたか」「配置が正しかったか」と確認したという。その回答は「正常に作動している。問題ない」だったという。

日本陸連側はこの件に関し、レース直後にもサニブラウン側の陣営と抗議するかを確認。しかし、陣営は、結果を受け入れ抗議はしないとの判断だった。その意志を尊重し抗議はしなかった。日本陸連側としては、確認を求めた形。

麻場強化委員長によると、サニブラウンはレース後「信じて疑わなかったものが聞こえなかった」と話したという。しかし、今は気持ちを切り替えているという。「泣き言、恨み言を言わず、次へ向かっている。素晴らしい」と400メートルリレーでの活躍に期待を込めた。

サニブラウンは準決勝で10秒15(向かい風0・3)の5着と決勝に進めなかった。リアクションタイムは0秒206で、完全に他選手より1テンポ出遅れていた。