女子1500メートルで田中希実(20=豊田自動織機TC)が4分5秒27をマークし、日本記録を更新した。従来の記録は、同郷の兵庫県小野市出身の小林祐梨子が2006年に出した4分7秒86で、14年ぶりに塗り替えた。

序盤から先頭に立った田中は前半800メートルを2分12秒台で通過。残り1周でラストスパートを掛け、2番手にいた卜部蘭(積水化学)を一気に引き離した。

田中はレース後、「日本記録を狙っていた。いい走りが出来た。来年は東京五輪がここである。今日みたいにいい走りをしたい」と喜びを語った。

レース中盤にタイムを緩める選択肢もあったなか、ペースを落とすことなく駆け抜け、「どんなレース展開になっても対応できる準備をしていた。レース展開は考えず、無心で走った」。

田中は7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ(HDC)深川大会の3000メートルで8分41秒35を記録し、福士加代子(ワコール)の日本記録を18年ぶりに更新。その4日前のHDC士別大会では、1500メートルで日本歴代2位の4分8秒68をマークしていた。

北海道での連戦後、前記録保持者のに小林さんと会話を交わす機会があったことを明かし、「日本記録を出したいという気持ちが高まった。うれしい気持ちを祐梨子さんに伝えたい」と話した。【奥岡幹浩】