現役高校生の後藤あい(17=兵庫・松蔭高3年)が、夢のプロゴルファーに一発合格した。
最終日は5バーディー、4ボギーの71で回り、通算8アンダーの280で、3位のままフィニッシュ。19位タイまでの21人に与えられたプロの合格切符をつかんだ。
感想を聞かれると「安心しています」と、重圧から解放された心境を告白。「自分の武器は飛距離。海外で活躍できる選手になりたい」と、夢の続きを口にした。
父一浩さん、母雅子さんの一人娘として神戸市に生まれ、祖母から「みんなに愛されるように」という思いで、「あい」と命名された。
後藤が通う松蔭高(神戸市)は創立134年のミッションスクールで、全国的にも有名な名門私立校。主に1980年代のトップアイドルとして、今も活躍を続ける南野陽子(59=神戸松蔭大客員教授)が在籍したことでも有名。
南野と同じ松蔭中・高で一貫教育を受けてきた後藤は、「まだお会いしたことはありませんが、松蔭といえば南野陽子さん」と、母校を説明する愛くるしい表情は、普通の高校生と変わらない。
ゴルフ部がない学校では、トップレベルの競技者が学ぶアスリートコースに所属。学校の協力を得て、この3年間はプロツアーへ意欲的に出場。その延長線で昨年、プロ下部ツアーで史上7人目のアマチュア優勝を飾った。
飛ばし屋で知られる後藤は、体幹の強さと167センチの長身から放つドライバーショットが270ヤード以上。一方でショートゲームがここ数年の課題だった。
昨年7月、ミネベアミツミ・レディースでは運命的な出会いをした。国内ツアー5勝の青木瀬令奈(33)と意気投合し、連絡先を交換。今では姉妹以上、家族同然の関係を築く。
「瀬令奈さんはプレー中に喜怒哀楽を出さず、ぶれずにやっている。その姿は私にとって、精神面で特に手本になっています」
アプローチなどの悩みがあれば青木に動画を送り、意見を聞く。後藤とは違い、飛距離はないが小技で勝つ青木。対極的な姿に、これまで後藤が目標だと公言してきたロリー・マキロイ(英国)以上の憧れを持つ。
この日の勝負ウェアが赤色だったように、本来は情熱的で闘争心は人一倍強いが、青木のように冷静なマインドが今は一つの武器になっている。
「乾かすのが面倒だから」と、肩口まであった髪の毛は今夏、ばっさりカットした。毎夜の練習後、帰宅途中に家族と焼き肉店に立ち寄るのが、ちょっとした楽しみ。スケールの大きなプレーと、実直な性格が魅力だ。
23日に18歳の誕生日を迎える後藤は、名前の由来とは関係ないが近い将来、レジェンド宮里藍に続くような日本女子ゴルフ界の宝になるかもしれない。
○…後藤から慕われる青木瀬令奈は今週、日米共催ツアーのTOTOジャパンクラシックで茨城に滞在。最終プロテストも同県開催だっただけに、「私が応援に行きたいくらい」と話していた。後藤の一発合格には「おめでとう、あいちゃん。あなたは、女子ゴルフ界の未来を背負う大きな存在。次はQT(来季ツアーの出場優先順位を争う予選会)でも、上位にいってほしい」と大喜びしていた。

