小林香菜(21=早大)が2時間39分54秒で初優勝した。全力疾走でゴールテープを切り、「大会新記録を目指していたので、最後はスパートしました」。大会記録は19年の2時間39分47秒。時計をにらみながらのレースで、目標はわずか7秒で達成できなかったが、「優勝できてうれしい」と笑みがこぼれた。

富士山マラソンは昨年に続く2回目の出場。秋田の100キロマラソンやハーフマラソンで鍛えてきた。調子の良さから大会前のオーバーワークで右太ももに不安を抱えてのレースだった。それでも20キロ地点をトップで通過。「後ろのことは考えず、前の男子選手についていこうと思って走りました」と後続との差を広げ、35キロ以降は独走だった。

中学時代に駅伝の楽しさに触れ、高校でも陸上を続けたが、けがに悩まされた。現在、法学部の3年生。「就活しなきゃいけないのにマラソン走ってます。できれば実業団で、陸上を続けたい」と、目を輝かせる。陸上は、早稲田大学ホノルルマラソン完走会で続けている。楽しく走るゆるいサークルだという。100人近くのメンバーのうち今大会には30人ほどがエントリーした。一番でゴールした小林は「仲間を出迎えなきゃ」と話を終えると、ゴール地点に引き返した。